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連載 :
  インタビュー

Serverspec誕生からインフラCIの今後までを開発者に聞いてみた

2014年11月11日(火)
鈴木 教之(Think IT編集部)
Serverspec開発者の宮下氏とTISの池田氏による対談形式のインタビューです。

インフラ構築の現場で活用が広がっている国産OSS「Serverspec」をご存知でしょうか。Think ITで活用連載を執筆したTISの池田氏と、開発者であるServerspec Operationsの宮下氏のインタビューが実現したので対談形式でお届けします。Serverspecってなに? という方はぜひこちらの連載もご覧ください。

宮下:宮下です。よろしくお願いします。4月からフリーランスでソフトウェアエンジニアとして仕事をしています。個人事業主の届け出を出すと屋号を付けられるので、「Serverspec Operations」にしてみました。ただ、特にそれを前面に押し出して活動しているわけでもなく、今はクックパッドでフルタイムで仕事をしています。主にインフラ周りの業務、たとえばVagrantを導入したり以前から使っているPuppetの整備をしたりなど、あとはインフラCIの整備をしています。

※ソフトウェア開発のCI(継続的インテグレーション)をインフラレイヤーにも適用した考え方

宮下剛輔氏(Serverspec Operations)

池田:TISの池田と申します。よろしくお願いします。私はServerspecのユーザーとしてお話させていただきます。使い始めたきっかけは、Twitterのタイムラインでよく見かけるようになって面白そうだなと思う程度だったのですが、今は仕事でも使用するようになってきています。私たちTISはいわゆるSIerで、お客様にシステムを納品してそれを運用したりしています。その中でより早くより安定したシステムを提供できるように日夜取り組んでいます。私たちが所属する戦略技術センターという本部系の部署では、実際にお客様とやりとりするのはすごく少ないです。ただし、現場の事業部門に向けて、こういう新しいツールを検証して伝えるというのが、主な業務になっています。

池田大輔氏(TIS株式会社)

Serverspecってどんなところで使われてるの

池田:私はServerspecを実際に使っていて、すごく便利なんですけど、実際にどんな場面で使われているんでしょうか? 社内で広めていくにしても、そういった情報があると安心して使えます。

宮下:そのあたり、実は僕もよくわからないんですよね(笑)。ツイートを見ていると結構使っている人がいるなと、あとは検索で引っかかったりプレゼン資料があったりして。ただ実際のところそれがどれくらいの規模でどこまで使われているのかというところまではなかなかわかんないです。

池田:実際に使っている方に相談されたりとか、Serverspecの導入支援をしたりとか、そういう活動もされたりしてるんでしょうか。

宮下:この前までやっていた仕事は、まさにそういう仕事でしたね。そんなに大きな規模ではないですが、とあるシステムを作る際に活用していました。そのシステムが、性質上作ったり壊したりを頻繁にやるんです。作る部分はChefを使って、そのテストをServerspecが担当しました。

池田:テスト工程を少しでも減らすためにServerspecに興味がある、という声を社内でも聞いたりするのですが、そういったServerspec単体での使い方もあるのかなと思っています。一方で、やはり効果を発揮できるのはよりたくさんのマシンを作ったり、より頻繁に作り替えたりとか、そういう場面になるのかなとも。

宮下:そうですね。もともと僕はずっとPuppet使っていて、Puppetマニフェストをリファクタリングするために作ったのがきっかけだったりします。サーバ構成管理ツールとの組み合わせが一番マッチするところだと思います。構成部分がコード化されていないのに、いきなりテストをコード化しようみたいな発想にはならないと思うんですよね。

プロジェクト誕生は”パクリ”から

池田:やっぱり自分自身の経験からこういうのが必要だ、というところからスタートしたのが大きいですよね。Serverspecを開発される前と後とでどう変わってきたのか少しご説明いただけないでしょうか。

宮下:Puppetを使い始めたのは2006年頃で、それまではほとんど手動か、すごい長いシェルスクリプトで構築している状況でした。ただ、ちょっとこのやり方はどうだろうと思い、ツールを探してPuppetを導入しました。Puppetで構築が自動化できるめどが立ったんですけれども、テストが手動なんですね。手動でエクセルのチェックシートみたいなのがあって、それに担当者が目視でコマンド入れて確認したのをチェックしていって、それにハンコを押して上司に出すみたいなことやっていました。

池田:私たちもそういう感じですね。

宮下:せっかく構築を自動化したのに、そこ(テスト)が手動なのはどうなのかなと。そこで「Assurer」というツールをPerlで作り始めました。発想としては、開発のテストみたいな感じで、サーバーインフラもテストできないかなというものです。その根底は、まさにServerspecと一緒なんですね。ただ、Assurerはやりたいことを多く詰め込みすぎて複雑になってしまい、結局はお蔵入りになってしまったんですけれども。その経験があり何かいい方法はないかなとずっと意識していました。

RSpecでサーバーのテストをやる発想は、実は僕オリジナルではなくて、前職の同僚の伊藤洋也君が考えたものです。伊藤直也さんの弟さんですね。SqaleというPaaSはLXCを利用しているんですけれども、コンテナを作るところの処理のテストをRSpecで書いていたんですね。それがすごいかっこいいなと思ってパクらせてもらいました(笑)。

池田:そのアイデアに影響されて作ったという形ですね。

宮下:そうですね。そのころ僕はマネジャー職で、あまり現場でバリバリコードを書いていませんでした。ただ、Puppetマニフェストをちょっといじる機会があって。そうすると、昔僕が書いたマニフェストをベースにしているので、すごく古臭いんですよね。それが気になり始めて、これをもっとモダンにしようと思い書き換えました。開発のリファクタリングとまったく一緒ですね、リファクタリングって絶対テストが必要じゃないですか。何かいいツールがないかなと探していたんですけれども、僕の要望にぴったりマッチするものはなかったんですよね。じゃあ、自分で作るしかないかなということで作ったのがServerspecです。

 

池田:自分が課題として直面したのをきっかけに、自分がほしいものをどんどん作っていくスタンスですね。

話が戻るんですけれども、最近よく言われているインフラのTDD(編注:テスト駆動開発)について、実装している部分などあれば教えてください。test-kitchenなどいろいろなツールとかあるのですが、どこまで本当に使われているのか、どういうシステムで使われているのか気になったりします。

宮下:クックパッドの同じインフラ部にいる荒井良太君が作っている「Itamae」というChefライクでシンプルなサーバー構成管理ツールがあります。それは最近クックバットでも使い始めているんですけれども、そういうのでインフラのコードを書くときには、大体僕はServerspecでテストコードを書いていますね。

池田:私もChefは最初のころ使っていたんですけれども、もっと軽くやりたいなと思ってAnsibleに手を出しています。

宮下:Ansibleはすごくよく聞きますよね。

著者
鈴木 教之(Think IT編集部)
株式会社インプレス Think IT編集グループ 編集長

Think ITのX代目編集長。新卒第一期としてインプレスグループに入社して以来、調査報告書や(紙|電子)書籍、Webなどさまざまなメディアに編集者として携わる。Think ITの企画や編集、営業活動に取り組みながら、プログラミングやWebマーケティングに関する書籍も手がけている。OSSのRe:VIEWとプリントオンデマンド技術を活用したThink IT Booksシリーズを展開するなど、プラットフォームやビジネスモデルへの関心も高い。

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