チョコレートの国の侍登場!

2008年5月31日(土)
原田 季栄

恐る恐るの作業再開

いつまでもぼうぜんとしていても仕方ないので、PCを再起動しました。もちろん、最後の編集結果は失われていますが、それだけでなく、Explorerの表示内容がおかしくなっていて、ファイルを操作するとウィンドウが消えたりします。

普通なら、USBメモリにデータを保存すれば良いのですが、今回持参した会社のPCは情報漏えい防止のため、可搬媒体は利用できないようセキュリティ強化(泣)されています。仕方なく、気をとりなおして、思い出しながら作業を再開しました。

長年PCを利用していると、「今度再起動したらたちあがらないかもしれない」という時は気配がわかるのですが、このときがまさにそんな状況でした。ロールプレイングゲームでいえば、「HPとMPがほぼ0に近い状態で、モンスターに遭遇しないことを祈りながら、もっとも近い町に向かいゆっくり移動する」ようなつもりで、編集作業を続けました。

フランクフルト到着が近くなったところで、「頼むからちゃんと起動してくれよ」と内心祈りながらPCをサスペンドさせました。シャットダウンしたら起動しない可能性がありましたし、ハイバネーションよりはサスペンドのほうがリスクが少ないと判断したからです。

データよ、SourceForge.jpに届け~

フランクフルト空港に到着すると、トイレよりも先に電源を探し、ノートPCをつなぎました。PCが動作しているうちに機内で作業したデータを安全なところに移す必要があります。今回は一人での出張のため、「万一に備えて」個人持ちのノートPCとネットワークケーブルも持参していましたが、そちらはスーツケースに入れてありブリュッセルまではアクセスできません。

そこで、日本から持参していたFOMAのデータ通信カード(定額データ通信対応の製品ですが、海外では従量プランとしてアクセスポイントなどの設定なくそのまま利用できます)をつなぎ、TOMOYO Linuxの開発で利用しているSourceForge.jpのレポジトリ(バージョン管理システムのデータ)に登録することを考えました。

データ通信カードで無事にネットワークにつながったので、私が利用しているcygwin用のバージョン管理クライアント、subversionをインストールして、ネットワーク経由で最新作業データをレポジトリに保存しました。

これで世界のどこにいてもインターネットとsubversionクライアントがあればデータを取り出せます。次にノートPCのメンテナンスを行いました。ディスクの整合性のチェックなど一通りのメンテナンスを行うとなんとか普通に使えるようになりました。

このように肝を冷やしましたが、無事フランクフルトからルフトハンザに乗り継ぎブリュッセルに到着し、午後10時過ぎには、宿泊先のHoliday Inn Brussel Centreに到着しました。これが旅行の初日、ケチャップ強盗に遭う前日、FOSDEM'08での発表の3日前です。

...さて、最初からなんだか不穏な空気が漂う今回の出張、次は一体何が起こるのか!?このお話の続きは、6月の土曜日コンテンツ「チョコレートの国の侍 2008」にて公開される予定だ!こうご期待!

TOMOYO Linuxプロジェクト
北海道室蘭市生まれ。1985年北海道大学工学部応用物理学科卒。同年NTT(横須賀研究センター)入社。現在の所属は、株式会社NTTデータ技術開発本部。2003年よりオープンソースの研究開発に取り組む。「使いこなせて安全」を目指すTOMOYO Linuxプロジェクトのマネージャ。

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