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モデリングは世界語!

2008年5月8日(木)
竹政 昭利

数字から知るオフショア開発の現状

 2008年4月の特集1「伝わる!モデリング(http://www.thinkit.co.jp/channel/modeling.html)」では、基礎知識から最新動向、実践的な活用例までさまざまな角度からモデリングについて解説しました。今回はオフショア開発におけるモデリング活用の方法とその可能性について、4回にわたり解説します。

 「UMTP(consortium for UML based Modeling Technologies Promotion):UMLモデリング推進協議会(http://www.umtp-japan.org/)」は、モデリング技術の普及とモデル共有に向けた活動を展開しているNPOです。その中のオフショアソフトウェア開発部会(http://www.umtp-japan.org/modules/activity2/index.php?id=10)では、オフショアにおけるUMLモデリングの有効活用に関する活動を行っています。

 また、オフショアソフトウェア開発部会では、オフショアガイドラインを作成しています。そして、オフショアガイドラインの作成に先立ち、発注側(日本側)と受注側(オフショア側)に対してアンケートを行いました。

 アンケートの実施要項を説明しますと、まず発注側(日本側)のアンケートの調査対象はUMTP参加企業および関連企業です。調査を行ったのは2006年11月です。受注側(オフショア側)のアンケートの調査対象はUMTP参加企業および関連企業から開発委託を受けている中国企業です。調査を行ったのは2007年3月です。この記事では随時このアンケート結果を参照していきたいと思います。

 さて前置きが長くなりましたが、そもそもオフショア開発とは何かを確認しておきましょう。

 オフショア開発とは「人件費が安い海外の会社に対してソフトウェア開発を委託すること」です。前述の発注側(日本側)へのアンケートによると、受注した額の25%近くを海外に発注していることが分かります(図1)。そして、その発注先は主に中国となっています。数字に強いイメージがあるインドですがこのアンケートでは意外と少なく、2位につけているのはベトナムです。

オフショア開発の目的

オフショア開発の目的は主に「コストダウン」と「優秀な人材の確保」です。

 仮に、オフショア開発を行った場合、どれほど開発コストが下がるのでしょうか?単純に人月の単価だけで比較すると国内の3分の1~4分の1程度にもなりますが、実際にはそれ以外に、出張費やブリッジSE(日本側とオフショア側の橋渡しをするSE)に伴う費用などが発生します。

 アンケートではどの程度のコストダウンが達成できたか尋ねましたが、それほど劇的にコストが減っている訳ではなさそうです。回答があった数値を平均してみると、オフショア開発によって、国内開発より18.0%のコストダウンになっています。

 続いて優秀な人材の確保という点を考えてみます。

 オフショア開発の目的はコストだけとは限りません。特に最近は日本国内で、ソフトウェア開発技術者が不足してきています。日本国内のソフトウェア開発会社にシステム開発を依頼しようとしても人がいないため、断られてしまう場合もあります。優秀な人材を確保できなければ、良いソフトウェアはできません。このため、海外に開発技術者を求めることも増えています。

 海外の技術者は、優秀な人からあまり優秀とは言えない人までの差が、大きいようです。そのため優秀な人や会社との良好な関係を作ることは、非常に魅力的です。では、そのためにはどうしたら良いのでしょうか。次ページでそのヒントをお話ししましょう。

株式会社オージス総研
1985年株式会社CSK入社。人工知能システムの開発に従事。1994年株式会社オージス総研入社後はオブジェクト指向システムの開発を中心に多数のプロジェクトに参画。また開発者向けトレーニング、セミナの講師を行う傍ら、雑誌、書籍の執筆を行う。2003年UMTP設立後は、UMLモデリング普及活動も実施。主な著書:「はじめて学ぶUML 第2版」ナツメ社 ほか

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