めざせ合格!UMTP-L2レベル認定への道
進むモデリングスキル資格の普及
インターネットやWeb技術の発達やダウンサイジングを背景に、日本のIT産業は従来型のメインフレームを中心としたシステムからよりインテリジェントなシステムへと変化してきました。特にインターネット社会は、システムを利用する人を多様化させ、より高度なシステム要求を満たせなければならない状況を作りました。
結果、ソフトウェアシステムは巨大化、複雑化し続けることになりました。このような状況では再利用性・拡張性といった非機能要件を確保するのは困難なため、企業はこれらの問題に対処するためにオブジェクト指向へパラダイムシフトしなければなりません。しかし現実にはオブジェクト指向に関する技量が不足しているエンジニアもオブジェクト指向開発に投入されるために、十分なメリットを活かせないプロジェクトとなることが多いのが現状です。
そのため、組織としてオブジェクト指向エンジニアを育成し、確かな技量を持ったエンジニアをプロジェクトにアサインしていくには、技量のレベル化とその認定が急務となりました。これは最近積極的に行われているオフショア開発の現場において、海外エンジニアのレベルを測るためにも必要不可欠です。
そこで注目されているのが、UMTP(UML based Modeling Technologies Promotion)の資格試験です。UMTPはUMLの表記法の知識はもちろんのこと、実務での実践的スキルであるモデリングスキルを定量的に判定、認定する資格試験です。この資格はオブジェクト指向のメリットを活かし、品質とコストを両立させたいエンジニアにとって非常に意義のある資格と言えるでしょう。今回はこのUMTPの資格がどのようなものなのか、想定問題を見ながら理解してみましょう。なお紙面の関係上クラス図で各レベルの問題を見てみることにします。
UMLモデリング技能認定試験問題集-UML2.0対応
著者:竹政 昭利
発行:技術評論社
価格:3,129円(税込み)
発売日:2007年4月24日
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UMLモデリング教科書-UMLモデリングL2
著者:竹政 昭利、橋本 大輔、桐越 信一、国正 聡、照井 康真
発行:翔泳社
価格:3,444円(税込み)
発売日:2006年1月17日
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豆蔵セミナーライブオンテキスト(2)すいすい習得UMLモデリング
著者:岡村 敦彦(株式会社 豆蔵)
発行:技術評論社
価格:2,604円(税込み)
発売日:2006年4月
試験制度の概要と日程
UMTPではモデリングのスキルをL1からL4までの4レベルに分類しています。2008年4月21日にL3がリリースされ、最上位資格となります。各試験に合格すると当該レベル達成者として認定されます。必ずしも下位レベルを合格していないと上位レベルを受験できないわけではありません。L1を受験せずにL2を受験するというように、上位レベルから受験も可能です。しかし、下位資格の認定がないと上位資格の認定を受けることができないので注意が必要です。詳しくはUMLモデリング推進協議会の「UMLモデリング技能認定試験(http://www.umtp-japan.org/modules/examination3/index.php?id=1)」のWebページを参照してください。
試験はコンピュータを使用して受験するCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。試験は毎日、全国各地で実施されており、個人で事前にWebサイトから申込みすることで、希望する会場、時刻から受験することが可能です。L1、L2試験については「ピアソンVUE」、L3試験については「プロメトリック」にて申し込むことが可能です。詳細はUMLモデリング推進協議会の「試験概要(http://www.umtp-japan.org/modules/examination3/index.php?id=3)」のWebページを参照してください。
また、これから受験を検討されている方にお勧めの書籍を上に示しました。受験前にしっかり目を通しておきましょう。
さて、前置きはこのぐらいにして、次ページからは実際にどんな問題が出題されているのかを見てみましょう。ぜひ皆さんも紙とペンを持ってチャレンジしてみてください。