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Webアクセシビリティを高めるコツとは

2009年1月6日(火)
Kaz@Website Usability Info

アクセシビリティを検証しよう

 ここでは、制作されたHTMLやCSSが、適切にアクセシブルなものになっているかを客観的に検証できる無料ツールのうち、筆者も使っているおすすめのものを紹介します。

 「Web Developer(http://lab.tubonotubo.jp/tools/webdeveloper/index.html)」というFirefoxツールバーは、各種バリデータ、ソースコードチェック、CSSやJavaScriptの無効化シミュレーション、リニアライズ/線形化表示(音声読み上げ順序のシミュレーション)などが可能です。

 「Vischeck(http://www.vischeck.com/vischeck/vischeckURL.php)」は、Webページが色覚特異性を持つユーザーにどう見えるのかをシミュレーションできます。先ほど紹介した3種類の色覚特異性それぞれについて、シミュレーションすることができます。

 「ダウンロードTIMER(http://www.downloadtimer.com/checker.html)」は、Webページが表示されるまでの時間を測定してくれます。回線速度によってどのくらいの時間で表示されるかという目安になります。

 富士通が開発したアプリケーションソフトに、「WebInspector(http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/assistance/webinspector/)」と「ColorSelector(http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/assistance/colorselector/)」があります。

 「WebInspector」は、Webページがいわゆる「アクセシビリティJIS」と呼ばれているガイドライン「JIS X8341-3(高齢者・障害者等配慮設計指針)」に適合しているかをチェックすることができます。「ColorSelector」は文字色と背景色の組み合わせが適切か否かを、白内障や各種色覚特異性を持つユーザーが見た場合を想定してシミュレーションすることができますので、Webサイトのカラースキームを決めるのにも活用できます。

できることを、少しずつでも実行することが大事

 ここまでで、アクセシビリティを実現するためのHTMLおよびCSSの作り方およびその検証ツールについて紹介しましたが、いずれも基本的なノウハウ/ヒントですので、厳密なアクセシビリティを実現するためには、これをベースにさらなる試行錯誤が求められます。

 筆者自身、これまでさまざまなサイト構築プロジェクトにかかわってきた経験で言いますと、理想的なアクセシビリティを実現するというのは、なかなか容易ではない、という実感があります。サービスを短期間で立ち上げなければならない、話題になりそうな華やかな演出を優先しなければならない、社内ステークホルダーのWebリテラシーやパワーバランスに合わせた合意形成をしなければならない、などさまざまな制約や阻害要因があるためです。

 とはいえ、今後はますます、アクセシビリティの確保はWebサイトを構築する上で当然のように求められる要件となることでしょう。

 数年前、あるパネルディスカッションに参加した際、ユーディット(http://www.udit.jp/)という会社の濱田英雄氏の言葉が印象的で、今も鮮明に覚えています。それは、アクセシビリティの改善は「できることを、少しずつでも実行することが大事」というものです。

 濱田氏ご自身は高度な障がいを持っていて、1ユーザーとしては「一刻も早くアクセシビリティが当たり前な世界になってほしい」と切望されているはずです。にもかかわらず、「できることを、少しずつ」という言葉を発せられたことに、アクセシビリティの「奥深さ」を感じます。結局のところ、アクセシビリティを向上させるためには、「適切なHTML/CSSの制作 → 検証 → できることを、少しずつ(でもいいので)改善」というサイクル(経験の蓄積)を繰り返すしかないのでしょう。

 Webマスターやクリエーターの皆さんの努力で、少しずつでもアクセシビリティに優れたWebサイトが増えればいいなと思います。

【参考文献】

「暮らしの中のデザインに関するアンケート|ユニバーサルデザインフォーラム」(http://www.universal-design.gr.jp/modules/findings/index.php/activity03.html)(アクセス:2008/12)

「Infoaxia(インフォアクシア)」(http://www.infoaxia.com/index.html)(アクセス:2008/12)

「富士通アクセシビリティ・アシスタンス」(http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/assistance/)(アクセス:2008/12)

「株式会社ユーディット」(http://www.udit.jp/)(アクセス:2008/12)

Website Usability Info「アクセシビリティ(ユニバーサルデザイン)ポリシー」(http://website-usability.info/accessibility.html
(アクセス:2008/12)

著者
Kaz@Website Usability Info
数々のWebサイトプロデュース、情報設計、画面設計(UIデザイン)、Web制作/運用ガイドライン策定などを手がけ、現在はWebユーザビリティ向上を支援するサイト「Website Usability Info」を運営。得意領域は、ユーザビリティ、アクセシビリティ、情報デザイン(インフォメーションアーキテクチャ)、Webライティング、といったあたり。http://website-usability.info/

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