広域ファイルシステム、Gfarm

2009年1月14日(水)
建部 修見

Gfarm広域ファイルシステムの構築と導入

 Gfarm広域ファイルシステムの構築、インストール方法を紹介します。以下では、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)系のディストリビューションで説明します。まず、構築に最低限必要なOpenSSL、PostgreSQL、OpenLDAPの開発ライブラリをインストールします。以下のコマンドを実行します。

# yum install openssl-devel postgresql-devel openldap-devel

 なお、GSI認証を利用するためにはこの他にGlobus ToolkitのGSI開発ライブラリのインストールが必要です。

 マウントに必要なgfarm2fsを構築するためにはFUSEが必要ですが、RHELではパッケージが提供されていません。そのため、Rpmfind(http://rpmfind.net/)からfuse、fuse-devel、dkms、dkms-fuseのパッケージを取得し、インストールします。

 SourceForgeのGfarm File System(http://sourceforge.net/projects/gfarm/)から、gfarmおよびgfarm2fsのSRPMを取得し、RPMバイナリパッケージを作成します。

 以下では、gfarmおよびgfarm2fsの原稿執筆時点(2008年12月現在)の最新バージョンであるそれぞれ2.1.1と1.0.2、またx86_64アーキテクチャを仮定しています。

 gfarm2fsを構築するためには、Gfarmの開発ライブラリが必要ですので、構築の前に開発ライブラリだけインストールしています。なお、gfarm、gfarm2fsのバージョンに関してはsourceforge.netをアクセスし、最新のものをインストールするようにしてください。

 これらの処理を行うには、図3-1のコマンドを実行します。成功すれば、/usr/src/redhat/RPMS/x86_64/以下にRPMバイナリパッケージが作成されます。

必要なパッケージをインストールする

 あとは、それぞれのサーバーに必要なパッケージをインストールします。図3-2を確認してください。

 ファイルシステムノードは通常クライアントを兼ねることが多く、その場合、ファイルシステムノードとクライアントの両方のパッケージをインストールします。

 設定方法については次回解説します。

[参考文献]

合田憲人、関口智嗣、伊藤智、小島功、建部修見、田中良夫、中田秀基『グリッド技術入門』コロナ社(発行年:2008)

「Gfarm File System」(http://sourceforge.net/projects/gfarm/)(アクセス:2008/12)

「Globus Toolkit」(http://www.globus.org/toolkit/)(アクセス:2008/12)
 

筑波大学
東京大学理学部情報科学科を卒業後、同大学大学院で博士(理学)を取得。電子技術総合研究所を経て、現在は筑波大学准教授。超高速計算システム、グリッドコンピューティング、並列分散システムソフトウエアの研究に従事。Gfarm広域ファイルシステムの開発を主導している。http://sourceforge.net/projects/gfarm/

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