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そもそもサーバOSとは何か

2008年6月3日(火)
松下 享平

「サーバOS」とWindows XPとの違い

 「『OS-1グランプリ』って言うけど、そもそもサーバOSってどんなのがあったっけ?」という方にぜひ読んでいただきたいのが、この「今日からはじめるOS入門」。執筆はぷらっとホームの若き獅子、松下 享平氏だ。学生時代よりISP立ち上げに挑戦するなどして、常にアグレッシブに経験を積み審美眼を磨いてきた松下氏。一見するとシャープでクールな文体だが、見え隠れするITへの愛情が読者をOSの森へと誘う!それでは松下氏どうぞ!

 突然だが、読者が普段デスクトップで使用しているであろうWindows XP Professional(以下、Windows XP)は、サーバOSと呼べるだろうか?

 Windows XPは、ファイル共有サーバやプリント共有サーバ、ソフトウェアを別途インストールすれば、限定的な条件下にせよ、Webサーバとして動作する。限定的と表現したのは、EULA(使用許諾契約書)(以下、ライセンス)によると、同時接続最大数10デバイス(台)という接続制限があるからだ。

 技術的な面を見れば、Windows XPはサーバOSと呼べそうだが、Windows XPをサーバOSとして使用するには、決定的な限定条件に直面せざるを得ない。つまり、購入したライセンス数を超えた使用ができない、という法的な条件である。

 ただ現場では、ライセンスの範囲内でのサーバ利用例も存在するだろう。しかし、システム開発者にしてみると、常にライセンスの範囲内での利用に限るとはいかないはずだ。むしろ、大概はライセンスの範囲を超えた利用が多いのではないだろうか?

 こうしたライセンス面、つまり法的な面を省みると、ライセンスが不特定多数向けではないWindows XPはサーバOSとして適当ではない。内部統制などでソフトウェアライセンスに対しての法的意識が高まる中、「技術的に使用可能」なだけでなく、「法的にも使用可能」であることを理解しておくことは、今のシステム開発者に必須である。

 本連載では、技術面に加え、こうした法的な面も含め、利用者にサービスを提供できるOSこそがサーバOSであると定義し、現在主流となっているサーバOSのそれぞれの特徴と選択の手法を、実際の構築プロセスを交え解説する。

サーバOSの種類

 かつて、各社からリリースされるサーバOSが乱立した時代があった。そのころ、無償公開のオープンソースOSを改良し、OSの販売やサポートをビジネス化しようとしたベンチャー企業が多く誕生した。その成功例として、Red Hat社などが有名である。

 近年では市場も成熟し、淘汰されてきてはいるものの、まだまだ多くのサーバOSが存在する。それらサーバOSの生い立ちを突き詰めていくと、最終的には4つの系統に絞られる。この4つの系統を知ることで、大まかな構成や向いている用途などを理解できるため、まずは系統と、サーバOSとしてよく使用されるOS名を図1にまとめた。

ThinkITの読者諸氏なら、一度はどこかで聞いたことのあるOS名が並んでいるはずだ。ここで挙げたサーバOSは汎用的なOS、すなわち、サーバOSとしての基本的なシステムを有し、アプリケーション次第でどんなサービスにも対応可能なOSである。

 一方、汎用ではなく専用のサーバOS(いわゆるアプライアンス的なOS)には、NAS(Network Attached Storage)用途向け専用サーバOSとして、Windows Server 2003 R2をベースに作られたWindows Storage Server 2003 R2や、FreeBSD 6.3をベースに作られたFreeNASなどがある。

 これらのOSについて、各系統別の歴史や特徴を解説したいところだが、そちらについては、Wikipediaや各種書籍の解説が非常に詳しいため、ここでは述べない。

 まず今回は、次ページより先に挙げた汎用サーバOSについて、技術面におけるそれぞれの特徴を解説する。

ぷらっとホーム株式会社
1978年静岡生。ぷらっとホームオンライン事業室室長。EC事業運営を指揮。学生時代よりISP立ち上げなど情報インフラ構築事業に関わる。ぷらっとホーム入社後、基幹システム再構築プロジェクトの技術主任を経て、情報システム課でシステムやセキュリティのトータルデザイン指揮、のち2008年に現ポジションに着任。

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