運用のパラメーターとまとめ
Sambaチューニング30項目一覧
最後に今回の連載で紹介したパラメーターと注意点について、図3にまとめました。構築、チューニングの時に参考にしていただければ幸いです。なおこの一覧はこちらからダウンロードできますので、参照ください(80231.zip/6.38KB)。
ここで、チューニングの大まかな流れ(最初に見るべき項目、最後に見るべき項目)などを改めてみてみましょう。
まず始めにパフォーマンスに影響のあるパラメーターで、log関連は運用時は1か0にしておくのが良いでしょう。[socket optinos]はベンチマークの結果からデフォルトのTCP_NODIRAYから変更する必要性はありませんでした。
次にファイル共有に設定するパラメーターでは、Windowsのファイル属性を利用するために[store dos attributes]と[ea support]を紹介しました。これらはmap hiddenなどで代替できますが、[store dos attributes]、[ea support]とは排他利用となります。[create mask]、[directory mask]などmask関連パラメーターはデフォルト値では意図する動作とならない可能性もあり、正しく理解し設定することが必要です。ACLに関連した[inherit acls]と[dos filemode]はWindowsに近い操作感を得るためには必須と思われます。
winbind関連の[idmap config]は特に複数のドメインとの連携で有効です。タイムスタンプ関連は問題が発生した場合に利用してください。アクセス監査は負荷を考慮して設定する必要があります。smb.confの%変数やincludeはアイデア次第でより柔軟な運用の手助けとなるでしょう。
openldapのslapd.confではloglevelとindexが特にパフォーマンス上注意したい点です。最後にfstabのファイルシステムのマウントオプションaclとuser_xattrを紹介しましたが、現在のSamba-3.2ではSolarisのZFSに対応しNFSv4互換のさらに細かいACLが使えるようになりました、現状のPOSIX ACLだけでは満足できない場合は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
チューニングでよりよい運用を目指そう
本連載では「Sambaサーバーのチューニング」と題して、使われていそうで、見落としがちなSambaのパラメーターについて、さまざまな観点から紹介してきました。環境によっては劇的に効果があるものもあれば、あまり効果を発揮しないものもあるかもしれません。さまざまなパラメーターを試して最適なチューニングを見つけてください。
今回のご紹介したパラメーターが、今後のSambaサーバー運用の参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。