中小企業のサーバー管理・監視体制
アウトソースの検討
案件によっては自分1人ではなかなか手が回らない場合もありますよね。そういう場合、サーバー管理とサーバー監視はアウトソースするという手もあります。
アウトソースする場合の、メリットデメリットを挙げてみます。
●メリット
安価にサーバー管理者・24時間体制を用意できる
専門業者のノウハウを活用できる
●デメリット
「社内の自分たちだけで対応する」というノウハウがたまりにくい
アウトソースした場合、まったくノウハウがたまらないわけではありません。手を動かさなくてもアウトソース先から状況の詳細報告が上がってくるはずです。窓口担当者はアウトソース先をうまく使い自社サービス特有のノウハウをためていきましょう。
アウトソースをせず、自社で24時間体制を抱えようと思うと、三交代制でも最低4人は必要です。夜勤の人には夜勤手当ても出さなければなりません。コスト的にもアウトソースした場合のほうがとても安価です。
また、アウトソースしたからと言って今までの担当者が解雇されるわけではありません。アウトソース先をうまくコントロールすることもとても重要な仕事です。良好な関係を築き、仲間を増やしていきましょう!
サーバー管理・サーバー監視のアウトソース先を選定するときのポイント
そこで、アウトソース先を選ぶときのポイントを列挙したいと思います。
●技術担当者の顔が見えるか
営業担当者が顔を出すのは当たり前だが、技術者が顔を出さないケースも耳にします。
しかし、サービスレベルは技術者のレベルに直結するので、ちゃんと技術者と顔を合わせてコミュニケーションを取れる会社をお勧めします。契約する前に技術担当者と面会して人を見極めるべきでしょう。
●実績はどうか
案件規模だけが実績ではありません。どのような課題に対し、具体的にどのように対応していったかという実績がとても重要です。障害例やチューニングの実績など聞いてみると技術レベルの違いがわかると思います。
●24時間体制のクオリティーはどうか
よく派遣社員や出向社員で構成された24時間監視チームを見かけます。労働契約上、人を育てる土壌がないチームである場合が多いのでクオリティーが低い可能性があり、要注意です。
24時間体制のチームへどのような教育をしているのか、どのレベルの技術力を求めているのかというチームメイキングに対する会社のポリシーの違いを確認すると良いでしょう。
●柔軟性はあるか
柔軟性があると言える会社は、技術力があるから柔軟性を維持できていると言えます。技術力のない会社は、画一的に・大量に・安価に監視サービスを展開しがちです。柔軟性を維持しつつ、それを体系化できているかどうかを見極める必要があります。
見極めるポイントとしては、成果物としてのドキュメント、監視仕様書です。案件ごとに監視仕様をカスタマイズしているか、1つの監視仕様で大量に案件をこなしているかで会社の姿勢がわかります。
●スピード感・コミュニケーション力はあるか
スケジュール感に具体性があり適切に説明されるかもポイントです。条件を絞って短期間でサービスインできたり、内容によってはしっかりとスケジュールを確保したりさまざまです。いざ障害というときにどれだけスムーズに対応してくれるかも重要です。一番怖いのは、イケイケドンドンだと思います。
●チューニングをしっかり提案してくれるか
マネージドホスティング業者の中には、設定変更代行オペレーションをマネージドと呼んでいる会社もあり、要注意です。障害が起こった後、的確に再発防止に対して、サーバー管理者・監視担当者として改善提案をしてくれる会社がお勧めです。
●予算組みしやすいか
毎月の作業に関するアウトソーシングは固定費として年間を通じて管理・計上していかなくてはなりません。最初、月10万円だったものが、あれよあれよとそれは別料金でという話になり毎月20万円になっていたというようなパターンはよくある話です。
そういうパターンを避けるために、当初の価格の中でどこまでやってもらえるかをしっかり確認しておきましょう。金額だけではなく、作業内容までしっかり比較した上で、取引先を選定するのが良いでしょう。
上記ポイントに注意して、良いアウトソース先を見つけられることをお祈りしています。アウトソースを検討したいがどんな会社があるかわからないという場合は、遠慮なく私に相談ください。できるかぎりご協力します:)
■最後に
中小企業のサーバー管理者は、予算のない中、骨身を削って頑張っていらっしゃる方々が多いと思います。オープンソースが主流になった今、技術交流などでノウハウの共有はしやすくなっていますので、皆さんと、いろんな技術について一緒に学んで、少しでも業務の負荷を下げ、皆で幸せになりましょう!