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インチキばかり? デジタルヘルスは医療業界の価値観を変える

2016年7月10日(日)
ReadWrite Japan

医療用ウェアラブルデバイスは、患者が自分の健康を自分で管理する上で、極めて重要な役割を担っている。

しかし、mHealth Intelligenceなどの医療デバイスメーカーは未だに医療コミュニティから疑いの目をかけられている。

ある医療用ウェアラブルのメーカーは、ウェアラブルテクノロジー企業と医療コミュニティの現職者は共に、患者の健康改善のため、患者と医者とのギャップを埋めるよう取り組む義務があると言っている。

医学士のデイビッド・アルバート氏は、AliveCorの設立者かつ医務部長であり、サンフランシスコに拠点を置く同社はモバイル心電図デバイス『Kardia Mobile』の開発を行っている。彼が言うには、「医療提供者は、医療コミュニティがコンシューマ向け医療用ウェアラブルにおけるデータが適切かつ信頼できるものでない限り受け入れることはないと示唆している」という。これについて彼は、全米医師会の「デジタルヘルス業界はインチキなものであふれている」というコメントを引き合いに出している。

このように医者たちがコンシューマ向けの新しい技術に対して不本意であるにもかかわらず、コンシューマたちはフィットネス機器やスマートウォッチ、その他のモニタリングデバイスに飛び付いている。AliveCorをはじめ強力な臨床実績をもつ会社は、医者たちがお墨付きを出すのを待たずに患者たちが自分の健康状態を把握するのを手助けするような取り組みを行っていくとアルバート氏は言う。

彼は、「患者と医療コミュニティの両者ともに、”患者は自分の健康管理について自立しなければならない”ことを理解すべきだ」と語る。

「医療業界は患者を中心とした新たなフェーズに差し掛かる。患者は自分自身の健康管理にもっと責任を持つようになり、それにより商機が生まれる可能性ももちろんある」とアルバート氏は言う。

医療コミュニティがウェアラブルを受け入れる必要性

「今後、医療コミュニティが臨床的に実証されたウェアラブルデバイスを医療制度で受け入れることになれば、多くのウェアラブルが従来の設備よりもコストパフォーマンスが高く正確なものであると明らかになるだろう」とアルバート氏は言う。この医療制度の認知が一度広まれば、医療供給者たちは医療コストの高騰を解決するため、より良いデバイスやより豊富な種類を求めることになる。そうすれば、新しいデバイス利用の門戸は一気に開かれるに違いないと彼は予想する。

また、医療用ウェアラブルが簡単かつ便利に、患者たちの健康改善に役立つものであれば、コンシューマたちも新しいテクノロジーをこれまでになく受け入れるようになるだろう。彼はこのアプローチを「医者と患者を一本の線で結ぶもの」と評する。

これが実際に形になれば、医者、患者、ヘルスケアシステム、デバイスメーカー全員にとって非常に良い影響をもたらす。「我々がやっていることはインチキではなく、”患者がより主体的に”なるためのビジネスだ」とアルバート氏は語った。

ReadWrite[日本版] 編集部
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