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「サイボーグ」を夢見るバイオハッカーたちとウェアラブルの未来

2016年8月3日(水)
ReadWrite Japan

私は「ヘルスケア技術の未来は埋込み型ウェアラブルにある」と固く信じているものの一人だ。80年代には人工内耳インプラントが現れ、90年代後半には避妊インプラントが出てきた。さらには股関節置換術用デバイスからペースメーカーなど、多くの埋め込み型医療デバイスは我々の人生を豊かにし、命すら救っている。

しかし、現在の組み込み型デバイスは、医療業界で活躍しているものを除くとそのほとんどが「バイオハッキング」と呼ばれるDIY的な動きに限られている。たとえば、昨年話題になったバイオハッカー集団「Grindhouse wetware(グラインドハウス・ウェットウェア)」を思い出してもらいたい。彼らのようなDIYバイオハッカーたちが作っているものは、穏当なエクササイズ用ウェアラブルから、バイオマグネット、さらには家のドアを開けたりパスワードの手入力無しでプリンターを使えるようにするRFIDチップのようなものまで、そのラインナップは多岐に渡る。

方位磁針のいらないデバイス

160802 cyborgs

Cyborg Nest社が初めて売り出した製品に『North Sense』というものがある。爪ほどの大きさのチップはBluetoothに対応しており、自分が北を向くたびにチップが振動するようになっている。手術をして埋め込むのではなく、ピアシングをして装着するタイプのデバイスだ。

残念ながら、同社ウェブサイトで彼らのウェアラブルについて詳しく知ることはできない。どこを見ても“神秘的な”説明しかされていないため、具体的に日常生活のどのような場面で役立つのかは不明瞭なものとなっている(わかる人もいるかもしれない)。ちなみに、North Senseの他にもさまざまなウェアラブルデバイスが紹介されており、その中にはただの方位磁針よりも(一般的に)目を引くと思われるものもある。とにかく見てみよう。

さて、同社が言うところによると、一度このデバイスを装着さえすれば:

「我々の伝統や精神生活、歴史に根ざした“古代より眠っている方向感覚”を取り戻すことができる。そうして新たな能力を手にしたあなたは、自分自身を変えることができる。数ヶ月もすれば、あなたは新しく身に付けた知覚 – North Sense – の影響により、サイボーグとしてこれまでとは異なる記憶力や認知を自分のものとし、すべてが生まれ変わったことを日々の一瞬一瞬で実感するだろう」

手をかざすだけで家のドアを開けれたり、手作業無しにiPhoneとリンクするわけでもないただの方位磁石の説明にしては言い過ぎのような気もするが。

FAQコーナーも見てて面白い。これが人生をどう変えるのかという質問に、製作者は次のように答えている。

「これが起こすのは物理的な変化ではなく精神的な変化だ。その過程には多くの時間を必要とするうえ、人によっても変わってくる。だが、必ずやNorth Senseは少しずつあなたの経験の一部となるだろう。やがて、あなたの脳は情報をどのようにフィルターするかを習得する。この文章を読んでいる今この時にも、あなたは余分な情報を除外しているのだ」

彼らが何を言っているのかを具体的に説明できる人がいたら教えてほしいところだが、それでもNorth SenseはGrindhouseが以前に出した製品よりはマシかもしれない。このピッツバーグのスタートアップ企業が制作したものが、下の写真にある埋め込み型ウェアラブルデバイス『Northstar V1』だ。これは、装着者に“技術を体に埋め込むという選択肢により、より自身を高度で機能的にする可能性を開く”ものだと言う。

160802 cyborgs2また、彼らは新しいバージョンである『Northstar V2』を出そうとしている。もし彼らの構想が現実のものになれば、元々あった機能であるLEDの色やパターンが追加されるだけでなく、ジェスチャー認識機能とBluetooth対応も追加され、ユーザは手の動きだけで電子機器をコントロールできるようになるという。もちろん、手術することなく充電も可能にする予定とのことだ。

公平を期すために言えば、そのウェアラブルの目的が超人類やサイボーグに近付くことともなると他の製品と求められるものも違ってくるのだろう。そして、これらはウェアラブルデバイスが単に「身に付けるものである」という域を超えた、数少ない例でもある。

そんなNorth Senseは$367で予約できる。最初の2000台は9月に出荷予定だ。これから先はヘルシンキで行われる「バイオハッカーサミット」を待つか、「Dangerous Things」に問い合わせてみてほしい。

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]

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