今こそバッテリーにイノベーションが必要な理由
ゲスト執筆者のラリー・バーゲスはVoler Systemsのワイヤレス技術についてのライターだ。
バッテリーはウェアラブル技術の進歩の上で最も大きな制限になっていることのひとつだ。少しづつ良くはなっているが、より小型化、長寿命化を図る上で障害となっていることは多い。
ウェアラブル市場の成長のためにエネルギー効率の改善と電源の改良は最も優先度の高い事項である。この事から人々はより小さく効率的であり、長寿命の電源の開発にいそしんでいる。バッテリーのサイズ、形、容量そして信頼性はどの様なウェアラブルデバイスを作る上でも大きな要素となっている。以下に挙げる例はこれまでのバッテリーに変わるであろう電源だ。
まず始めに:リチウムイオンバッテリー
ドラッグストアでも売られており、電卓や心拍計の電源になっているCR2032のようにありふれたボタン型電池はリチウムイオンバッテリーだ。補聴器に使われているCR1225などの様により小型のものもある。ほとんどが使い捨てであり、補聴器の他に車のリモートキー、電灯のスイッチ、インターホンや初期のウェアラブルデバイスに用いられている。これらはバッテリーを簡単に交換出来ることが重要なウェアラブルデバイスでは今後も使われることだろう。
薄型フィルムバッテリー
これらのバッテリー(ほとんどはリチウムイオンを使っている)は再充電可能で小型化出来る事からスマートフォンやハンドヘルドデバイスで利用されている。バッテリーの容量はその大きさで決定されることから、ボタン型電池よりもその容量はだいぶ大きくなる。フラットなウェアラブルや壁掛け、据え置き用デバイスに適している。
ポーチ型バッテリー
ポーチ型バッテリーはプラスチックあるいはポリマーの箱に入ったリチウムイオンバッテリーだ。幅広いサイズのものを作ることが可能で、あらゆる類の小さなパッケージにまとめることが可能だ。携帯に使われることもある。欠点の一つとして、パッケージ内にガスが発生し膨張、下手をすると破裂することがある。破裂を防ぐ為、外装にこの膨張用のスペースを用意する必要がある。
グラフェン・バッテリー
材料科学の世界において大いに注目を集めた炭素素材で作られたこのバッテリーは未来を感じさせるものだ。もっともエネルギー密度および容量をもつバッテリーだが、まだ他のバッテリーと比べるとずいぶんと高価なため、市場での普及はわずかだ。これのために多くの開発がなされている。あと数年後を待とう。
スーパーコンデンサー
スーパーコンデンサーは一般のコンデンサーと比べて漏電がきわめて少なく、容量が非常に大きいものだ。用途によってはスーパーコンデンサーはこれまでのバッテリーに取って代わるメインの電源となるだろう。小型化でき1ファラデー以上の容量を持つ。低消費電力のウェアラブルに利用でき、もし充電可能なものであればバッテリーよりはるかに早く充電できる。例えば0.47ファラデー、5.5V 11.5mm x 5mm、大体CR1225位のサイズのボタン型コンデンサーなどがある。だが最も容量が大きいコンデンサーでも、従来の電池と比べて約1/10倍ほどのエネルギーしか貯められない。前述のコンデンサーの場合は4mAHであり、CR1225の場合は50mAHだ。
回生機構 Energy Harvesting
ここ数年、ウェアラブルに搭載されるバッテリーあるいはスーパーコンデンサーの充電ツールとして様々なエネルギー回生についての活発な取り組みがなされている。電気エネルギーに変換される元となるものには、運動エネルギー(制動、振動、回転など)、熱エネルギー、ピエゾ素子による電流、あるいは(ワイヤレス充電としての)電波などが含まれる。タイヤの空圧モーターに搭載された運動エネルギーから充電できるバッテリーなどはこれらの初期の例だ。車が長い期間アイドル状態にならない限りこれらは機能し続ける。多くのウェアラブルが買ってある程度経つと箪笥の肥やしになっていることを考えると、これは気に留めておくことだ。
今後待ち望まれるものとは
ウェアラブルデバイスの数が増えるにつれて、より小さく寿命の長いデバイスや発信機、よりインテリジェントなデバイスの需要が効率的な電源の必要性を後押しすることだろう。バッテリーの改良が継続されない限り、ウェアラブル市場は終わってしまう。
画像提供:Post Memes
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。
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