職場の温度をあなたのために調節し、部屋の出入りの際の点灯・消灯を自動で行ってくれるような個人専用モニタリングシステムがあると想像してみてほしい。
これは国際的なデザイン・イノベーション企業 Carlo Ratti Associatiの従業員が毎日経験していることだ。
Carlo Ratti Associati がプロデュースした"Office 3.0"は新しく開発された職場向けのスマートシステムで、IoTをまったく新しいフィールドに持ち込んだ。
イタリアのトレノにある同社のAgnelli Foundation本部のためにデザインされた『Office 3.0』は、空調や照明を中の利用者に合わせて調整する。同社の目標はこの新システムを使ってエネルギー消費を40%まで削減することである。
画期的な新システムの仕組みとは
これは、建物管理システムと呼ばれるセンサー網が個人の動向を温度、CO2濃度、室内の人口密度などのデータと併せてモニターし、集められた情報を元にシステムより建物全体に指示が送られるという仕組みである。たとえば、使われていない部屋は消灯され、会議室の空調は使われる直前に整えられる。人がある場所からいなくなれば、その場所はスタンバイモードに切り替わるというものだ。
ただ、建物管理システムを起動させるには、全従業員がアプリをダウンロードする必要がある。というのも、各人が好みの室温やその他のデータを入力することで、行く先々で各々が好む環境が用意されるためだ。
MITのSenseable City研究所のディレクター兼Carlo Ratti Associatiの設立者であるカルロ・ラッティ氏は次のように言う。「誰もいない部屋の空調というのは、多くのエネルギーを無駄にしている。建物内のエネルギーの利用と人のいる場所を同調させることで、ビルの運用の助けとなるのだ。」
この『Office 3.0』は職場の将来を示す素晴らしい例である。この技術は店舗やアパートでも応用することができるだろう。節約できるエネルギーの量を考えれば、このプログラムは数年のうちに主流のものになるかもしれない。
ReadWrite[日本版] 編集部
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