Apple Watchが牽引、ウェアラブル市場は60億ドル超規模へ
今年の第1四半期もウェアラブルの売上の伸びは好調であり、その収益は60億ドルと年間で133%の成長を見せている。
ウェアラブル市場の売上が60億を超えた大きな要因は『Apple Watch』であり、登場してから1年経っていないにも関わらず、スマートウォッチ市場でもっとも成功した商品となっている。
参照記事:いずれスマホは捨てられる? ウェアラブルの可能性に夢見るユーザとそのリスク
ウェアラブルデバイスの平均単価は、リサーチ企業 Futuresource Computingの調べによれば、高機能モデルの伸長により$218と年間で50%の成長を見せている。この伸びにApple Watchの売上も貢献していることだろう。
Apple Watchはスマートウォッチ市場においてトップをとったが、時計業界全体においてもCasio, Citizen, Fossilといったメーカーを追い抜いたと思われる。SwatchやRolexなどはまだリードを保っているが、時計メーカーでない企業の参入は、業界におけるスマートウォッチの立場に影響を与えるかもしれない。
競争はフィットネストラッカーの価格を下げている
一方、『Fitbit』や『Jawbone』といったフィットネストラッカーの売上は、全体で1,000万ドルを突破しているものの出荷数の伸びは18%となっており、2014年から2015年での売上の伸びは40%と低迷している。
この主な要因は、Xiaomiの『Mi Band』だ。中国では、FitbitやJawboneその他のトラッカーと同じ市場で30ドル以下で販売されている。また、その他のフィットネスウェアラブルメーカーも廉価な選択肢を提供しようとしているところだ。
このようなデバイス平均価格の低迷により、2015年のフィットネス市場の伸びは2%にとどまっており、Future sourceは2016年も同じく低い数字に留まると予測している。
業界でリードしているFitbitを見る限り、フィットネス機能がスマートウォッチの未来を分ける要因になりそうだ。同社は昨年『Surge』という、フィットネストラッカーにスマートウォッチの基本的機能が備わったものを公開した。また、『Blaze』はこの傾向を踏襲している。
フィットネストラッカー市場の売上高は多くはないものの、この業界には人材や技術を求めたやり取りが多く見られる。たとえばNokiaは、フランスのフィットネスウェアラブル企業 Withingsを1億9,100万ドルで買収した。ちなみに、FitbitもCoinを買収したが、その額は明らかになっていない。
ReadWrite[日本版] 編集部
[原文]
連載バックナンバー
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- 2017年、中国はウェアラブルの世界最大消費地へ
- 米国成人の5人に1人がウェアラブル端末を所有
- フィットネスウェアラブルは正しいユーザーに買われていない—だがこれは変えられる
- 研究が示すフィットネストラッカーの利点より大きな害悪とは
- Android Wear 2.0はヘルスケアウェアラブル業界に革命を巻き起こせるか?
- Android Wearの飛躍にiOSのサポートは役立つか?
- GPS企業のTomTom、業界初「体組成計測」をひっさげウェアラブル市場での成功を狙う
- 働く現場でのウェアラブル-その可能性と問題点
- アップル、グーグル、サムスンがウェアラブルでユーザーを囲い込もうとする理由とは
- 爆発的に拡大するウェアラブル市場を見据えるアップル