ニューヨークのバーミンガム州大学で、もっとも複雑かつユニークなサインインの方法が模索されている。研究チームが目をつけているのは、「心拍」の活用だ。
ほとんどのウェアラブルデバイスは心拍数をトラッキングできる。足りないのは、“心拍データを個人を特定する生体認証キーにどう変換するか”だ。
スマートフォンのロック解除やSNSへのログイン、あるいはセキュリティが厳しい場所での扉やロッカーの解錠などにそのキーを使うことができるだろう。また、これが広まれば、多くの企業が受け入れている社員の健康管理プログラムとも結びつけることができる。
心拍による認証の利点は、指紋よりもユニーク(唯一無二)であることだ。一方、不測の事態や疲労などがその認証プロセスに影響を与えうる。他の利点としては、暗号化のレイヤーをいくつも通過するよりもウェアラブルのバッテリーを長持ちさせることができることが挙げられると、レポートの共同著者、ジャンペン・ジンはいう。
心拍と指紋
Nymi Bandというウェアラブルデバイスでは、すでに心拍認証とAppleのTouch IDを併用している。BluetoothやNFCを使って生体認証キーを転送するため、多くのデバイスやアプリケーションでも適用が可能だ。
多段階認証が注目を集めるなか、この技術が成熟すれば近い将来デバイスやアカウントへのログインに心拍を使うようになるのも非現実的な話ではないだろう。
だが、指紋や虹彩を使った認証がスマートフォンやタブレット、ウェアラブルでは急速に主流となってきている。心拍認証が一般的になるためには、業界が他の認証手段に落ち着くよりも早く、その利点を示す必要がある。
DAVID CURRY
[原文4]
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