第4回:個人情報保護法とISMSからみるリスクマネジメント (3/4)

リスクマネジメント
トピックと手法から学ぶリスクマネジメント

第4回:個人情報保護法とISMSからみるリスクマネジメント
著者:プライド   三澤 正司   2006/9/5
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リスクアセスメント手法の適用

   ここまででISMSの保護対象である情報資産にかかるリスクを確認したが、ここからリスクアセスメント手法の説明をする。

GMITS(Guidelines for the Management for IT Security)

   ISO/IEC TR13335が紹介しているセキュリティの分析手法である。GMITSは、基本的に情報技術(IT)のセキュリティマネジメントをリスクマネジメントも含めどう構築するかの解説書であり、以下の5部で構成されている。

第1部:ITセキュリティの概念およびモデル
Part1:Concepts and models for IT Security
第2部:ITセキュリティのマネジメントおよび計画
Part2:Managing and planning IT Security
第3部:ITセキュリティマネジメントのための手法
Part3:Techniques for the management of IT Security
第4部:セーフガードの選択
Part 4:Selection of safeguards
第5部:ネットワークセキュリティに関するマネジメントの手引き
Part5:Management guidance on network security

表7:GMITSの構成

   リスクアセスメント手法は第3部にあたり、以下の4つのアプローチが説明されている。


ベースラインアプローチ(Baseline Approach)

   一般的な情報セキュリティに関する基準/標準/ガイドラインなどを参照し、一定の確保すべきセキュリティレベルを設定し、リスク評価することなくセキュリティ対策を実施する。


非形式的アプローチ(Informal Approach)

   組織や担当者の経験や判断によってリスクを評価する手法である。


詳細リスク分析(Detail Risk Analysis)

   情報資産に対し、資産価値/脅威/脆弱性および現在実現されている管理策を考慮した評価する。

   情報資産個々にリスク評価を行うため、リスクに応じた適切な管理策を効率的に選択できるが、労力がかかる。


組み合わせアプローチ(Combined Approach)

   ベースラインアプローチと詳細リスク分析を組み合わせる手法である。

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株式会社システムインテグレータ 代表取締役  梅田 弘之
著者プロフィール
株式会社プライド  三澤 正司
ITコーディネータ
プラント会社勤務時に、情報システム分野およびシステム開発方法論に興味を持ち、株式会社プライドに入社。主としてプロジェクト支援、標準化支援、教育に従事するが、ここ数年は、情報セキュリティ、管理業務に関わる支援の比重が大きくなってきている。


INDEX
第4回:個人情報保護法とISMSからみるリスクマネジメント
  はじめに
  ISMSにおけるリスクアセスメントの位置付けと要件
リスクアセスメント手法の適用
  リスクの数値化
トピックと手法から学ぶリスクマネジメント
第1回 リスクアセスメントの範囲の策定
第2回 内部統制に対応するリスクアセスメント
第3回 コンプライアンスに対するリスクアセスメント
第4回 個人情報保護法とISMSからみるリスクマネジメント
第5回 個人情報漏洩のリスク評価
第6回 プロジェクトマネジメントにおけるリスクアセスメント

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