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| TOMOYO Linux開発の現状 | ||||||||||||||
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2005年11月の公開以来、改良・拡張を続けてきたバージョンの最新版として、6月5日にversion 1.4.1をリリースしました。このバージョンは、Linuxカーネルの2.4と2.6の両バージョンに対応しており、機能的にはもっとも充実していますが、実装としては機能を優先した結果独自の内容が多くなっています。 メインライン提案を行うに際して、もっとも主要な機能に絞り込み、LSMなどのLinux標準に則ったバージョンを作成し、6月7日に「TOMOYO Linux 2.0(TOMOYO Linux LSM版)」として公開しました。これらの内容をもとに、6月13日には待望のLKML(カーネルメーリングリスト)へのTOMOYO Linuxの提案を行っています。6月18日には、以前から要望の高かったGUIツールもリリースしました。6月27日からはじまるOLS2007のBOFでは、TOMOYO Linux 2.0やLinuxのセキュリティ強化について、世界の開発者と議論します。 |
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| その他のトピック | ||||||||||||||
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TOMOYO Linuxの開発は現状NTTデータが単独で行っていますが、新しい試みとして、開発協力者の募集を行っています。運用は試行錯誤しながら進めていますが、version 1.4.1ではパッケージの作成作業について支援いただきました。 また、導入手順など一部のドキュメントについてはWikiを利用し、社外の方にも協力いただいて作成しています。(まだ)直接お会いしたことはありませんし、報酬をお支払いすることもできませんが、その方々はまぎれもなくプロジェクトのメンバーです。メールやWiki、フォーラムで交流しながら、一緒にTOMOYO Linuxを作っていることを実感しています。この輪をもっと広げていきたいと思います。 最後に、TOMOYO Linuxのプロジェクトマネージャである私自身のチャレンジとしては、「TOMOYO LinuxというプロジェクトによるNTTデータへの貢献」を実現したいと思っています。オープンソースの開発は企業における通常のプロジェクトとは異なり直接利益を生みだしません。リソースを投じて開発を行い、その成果をオープンソースとして返します。つまりはボランティアです。 ボランティアには限界があります。利益をあげることは企業にとって必要であり、適切な利益により企業は発展し、社会に貢献します。それはオープンソースの取り組みについても例外ではないはずです。TOMOYO Linuxを企業としてのオープンソースの関わり方の成功事例とすることにより、今後第2第3のTOMOYO Linuxが生まれて、オープンソースの世界が充実していくという夢を実現したいと考えています。 |
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| 謝辞、そして次回は | ||||||||||||||
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TOMOYO Linuxの開発は、Linus氏をはじめとするLinuxコミュニティの貢献があり可能となりました。それらすべての人々に感謝します。TOMOYO Linuxに興味を持ち、使っていただいた方々に感謝します。一人のOSSユーザ、またOSSのプロジェクトマネージャとして、TOMOYO Linuxを世界に送り出してくれたNTTデータに感謝します。最後に、TOMOYO Linuxの開発とリリースは、SourceForge.jpを利用させていただいています。このような素晴らしいプラットフォームを無償で提供、運営されているOSDNとスタッフの方々に敬意を表し、深く感謝します。 2003年、茅場町のビルで名もなくはじまった小さなプロジェクトは、いつのまにか多くの方々に知られるようになり、ついにLinuxのメインライン提案を行うに至りました。それは奇跡のようだといつも思います。そして、その奇跡は皆さんがこの記事を読まれている今も続いています。この連載が新しい物語のはじまりになるかもしれない、そう考えると私自身とても楽しみです。 それでは次回から、実際にTOMOYO Linuxを導入し、運用していく方法について解説します。 |
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