第2回：拡張部分によって違いがでてくるSQL文 (2/3)

徹底比較!! PostgreSQL vs MySQLパート2

第２回：拡張部分によって違いがでてくるSQL文
著者：NTTデータ藤塚勤也 2007/4/18

JOIN

JOINにはINNER JOINとOUTER JOINがあります。さらに、OUTER JOINにはLEFT OUTER JOINとRIGHT OUTER JOINの2種類があります。例えばtableAとtableBを表1、2とすると、LEFT OUTER JOINとRIGHT OUTER JOINのSQL文および結果は以下のようになります。

tableA
col01	col02
1	A1
2	A2

表1：tableAの中身

tableB
col01	col02
2	B2
3	B3

表2：tableBの中身

LEFT OUTER JOINの例


		select a.col01,a.col02,b.col03 from tableA a LEFT OUTER JOIN tableB b on a.col01 =b.col01;

		

		 1     | A1    | null

		 2     | A2    | B2

RIGHT OUTER JOINの例


		select a.col01,a.col02,b.col03 from tableA a RIGHT OUTER JOIN tableB b on a.col01 = b.col01;

		

		2     | A2    | B2

		null  | null  | B3

このLEFT OUTER JOINとRIGHT OUTER JOINの動作はPostgreSQL、MySQLともに同じです。

PostgreSQLの場合は、LEFT OUTER JOINとRIGHT OUTER JOINの両方の処理を同時に行うようなFULL OUTER JOINがサポートされています。同様に、tableAとtableBでFULL OUTER JOINを行うと以下のような実行結果になります。これは、MySQLでは実行できません。

FULL OUTER JOINの例


		select a.col01,a.col02,b.col03 from tableA a FULL OUTER JOIN tableB b on a.col01 = b.col01;

		 1     | A1    | null

		 2     | A2    | B2

		 null  | null  | B3

MySQLにてPostgreSQLのFULL OUTER JOINと同じ結果を得るためには、LEFT OUTER JOINとRIGHT OUTER JOINのSELECT文をUNIONにて結合するなどの工夫が必要になります。以下は、UNIONを用いてFULL OUTER JOINと同じ結果をだす例です。


		(select a.col01,col02,col03 from tableA a LEFT OUTER JOIN tableB b on a.col01 = b.col01) union distinct (select a.col01,col02,col03 from tableA a RIGHT OUTER JOIN tableB b on a.col01 = b.col01);

		 1     | A1    | null

		 2     | A2    | B2

		 null  | null  | B3

もちろん、PostgreSQLでもこのUNIONを用いたJOINは動作します。

GROUP BY句

MySQLのGROUP BY句にはちょっと変った拡張機能があります。それは、GROUP BY句の後ろに並び替えのためのASC句、DESC句を指定できることです。例えば、表3のtableCを使ってカラム「col01」別にカラム「col02」の値を集計するSELCT文は、以下のようになります。

tableC
col01	col02
A	15
B	10
A	5

表3：tableCの中身


		select col01,sum(col02) from tableC group by col01

		B  |  10　　　　　　　　　　　　　　　　　A  |  20

		A  |  20　　どちらの結果になるかは不定　　B  |  10

もし、この集計結果をカラム「col01」の降順に並べ変えたい場合は、通常ORDER BY句とDESC句を使用して、以下のようになります。


		select col01,sum(col02) from tableC group by col01 order by col01 desc

		B  |  10

		A  |  20

もちろん、このSELECT文はPostgreSQL、MySQLともに正常動作します。ところが、MySQLはこのORDER BY句を使用せずとも以下のようにGROUP BY句の後ろにDESC句を付けるだけで、ORDER BY句を使用したときと同じ、降順の並べ替えを行うことができます。


		select col01,sum(col02) from tableC group by col01 desc

		B  |  10

		A  |  20

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著者プロフィール
株式会社NTTデータ藤塚勤也
基盤システム事業本部オープンソース開発センタシニアスペシャリスト。
日本タンデムコンピューターズ（現日本HP）を経て、2003年よりNTTデータにてOSS分野に参画。日頃はオリジナルOSSの開発や、OSSを用いたシステム構築への技術支援に従事。「RDBMS解剖学」（翔泳社）を共著。

INDEX
第2回：拡張部分によって違いがでてくるSQL文
	SQL文の違い
	JOIN
	INSERT文

徹底比較!! PostgreSQL vs MySQLパート2
第1回	同じようで違うデータ型
第2回	拡張部分によって違いがでてくるSQL文
第3回	実は差があるキャラクターセットの違い
第4回	PostgreSQLとMySQLに対応したGUIツールを使いこなす
第5回	バックアップとリストア
第6回	ストアドプロシージャ
第7回	トリガ
第8回	それぞれが持つビュー機能

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第2回：拡張部分によって違いがでてくるSQL文 (2/3)

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