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| ERPの登場 | ||||||||||||||||||
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1980年代の後半になると、ERPシステムが登場してきます。ERPシステムの重要なコンセプトの1つに、企業内のデータをすべて一元的に管理し、ERP内の様々なモジュール(財務モジュールや生産管理モジュールなど)がこれにアクセスすることで処理を行うというものがあります。 これは、同じ情報を複数のシステムによって保持および処理していた冗長的な従来の方法を改善し、最適な情報の処理プロセス(業務プロセス)をERP内にあらかじめ組み込んでユーザに提供することを目指したものでした。 日本ではこれを「大福帳システム」と呼び、「BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング」の掛け声と共に、業務プロセスの改善のための手段としてERPの導入が進められました。 しかしながら、ERPシステム単独で企業内の業務をすべてカバーすることは難しい面もあります。ERPを使用してきた結果、「ERPは経営層が必要とするビジネスデータを生成することには非常に役立つが、業務の各現場をサポートするシステムではない」という声があがってきます。 ERP以外にも、SCM、CRM、倉庫管理システムなど、多種多様なパッケージアプリケーションが市場に登場する理由の一端はこのあたりにもあるといえるでしょう。 |
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| EAIミドルウェアの登場 | ||||||||||||||||||
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業務の実務レベルでの担い手である営業マンや配送センター作業者など、様々な職種に携わる人々の日々の業務をサポートすることを目的に、CRM、SCM、倉庫管理システム(Warehouse Management)、POSシステム、製造ライン制御システムなど、多種多様なシステムがERPとは別に運用されています。 その中では当然のように、日々接しているこれらのシステムとERPとを結びつけ、企業全体としての業務効率を目指そうという要求が生じてきます。この要求を満たすために1990年代に登場したものが、EAI(Enterprise Application Integration)です。 このEAI実現するための方法には、大きく分けて次の2つがあります。
表2:EAIを実現する方法 ERPに実装されたEAI機能は、SAP R/3のIDOC/ALEに代表されるもので、各アプリケーションシステムからERPにデータを集約したり、ERPで生成/保持されているデータを各アプリケーションに送信するために使用されます。 一方、EAI専用の製品ではERPをシステムの中心に置いていないため、アプリケーション間(例えば、CRMと倉庫管理システム)ではERPを介さずにデータ送受信を行うことができます。どちらの方式にしてもそのトポロジー的な形態は共通しており、図2のようにいわゆる「ハブ&スポーク」の形態となっています。 ![]() 図2:ハブ&スポークの形態 図2からもわかるように、中央の「ハブ」に各アプリケーションが「スポーク」のように集中しています。こうすることで、アプリケーション同士を結ぶリンクの数は、初期のスパゲティ状態と比べると、大幅に減少させることができました。 しかしながら、すべてのデータ送受信がハブに集中することでボトルネックとなるなど、以下のような欠点もありました。
表3:ハブ&スポーク形態で考えられるデメリット その後、標準規格に準拠したプロトコルの採用により高価なアダプタの必要性は減少しましたが、データや障害の一極集中の問題は残されたままとなっています。 なお、ハブ&スポークの形態を採用しているミドルウェアとして、次のようなものがあげられます。
表4:ハブ&スポーク形態を採用するミドルウェア |
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