第5回:経営の可視化の実現策 (2/3)

経営の可視化
企業活動と経営の可視化

第5回:経営の可視化の実現策

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/4/17
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多次元データベースの適用例

   多次元データベースとは、例えば事業や品目別単位、グループ企業単位、地域・全国単位を、多次元的視点で管理するデータベースのことである(図2)。
多次元データベースの適用事例
図3:多次元データベースの適用事例

   この環境が整備できれば、マネジメントに必要な情報を必要な形で取得でき、迅速/適確な意思決定の支援をしていくことが可能となる。また多次元データベースの分析にはOLAPツールを用いる。


意思決定を支援するOLAPツールの概要

   OLAPツールは、エンドユーザがデータベースの構造やデータ存在位置、アクセス言語などの専門知識がなくても、データを自由に加工(スライシング、ダイシング、ドリリング)し、分析できるように様々な角度からその要件を定めている。OLAPツールの特徴を表2に示す。

アクセス性
同一データに対して複数ユーザからの同時アクセスが可能
透過性
エンドユーザがデータ構造、利用環境を意識することなく利用が可能
操作性
柔軟性のあるレポート作成、操作機能

表2:OLAPツールの特徴

   OLAPツールのユーザの要件としては、表3のような論点が考えられる。

意思決定支援システムの論点
多次元分析、繰返し分析など
経営情報システムの論点
データ集計、ドリルダウン、ロールアップなど
データマイニング
ビジュアルな集約化、集約化のルールの容易性など
非定形検索(SQL)
ユーザフレンドリなアクセス、RDBMSへの直接アクセスなど
Enterprise Intelligence
計画、企画、マネジメント階層でのデータ連携など

表3:OLAPツールのユーザアクセス要件

   このようにユーザが利用するツールの選択は、要件やITリテラシのレベル、さらにネットワーク構成やデータベースへの接続性も考慮して、できるだけ短時間に選択することが望ましい。

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株式会社オープンストリーム  赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


INDEX
第5回:経営の可視化の実現策
  可視化するための企業システムの全体像
多次元データベースの適用例
  計数管理情報の集約
企業活動と経営の可視化
第1回 企業の生産活動をどのように可視化していくか
第2回 製品ライフサイクルの観点から見る製品情報の可視化
第3回 原価企画の観点から見るコスト情報の可視化
第4回 戦略的調達の視点から見る調達情報の可視化
第5回 経営の可視化の実現策

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