第13回:Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項 (2/2)

シマンテックイエローブック
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ

第13回:Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項

著者:シマンテック   2007/3/22
前のページ  1  2
ファイルフィルタルール

   Mail Security for Exchangeにはファイルフィルタルールが用意されています。このルールは、ウイルスの伝播によく使用される種類のファイルを、ZIPファイルに圧縮されている場合を含めて、自動的に検出して遮断します。付属の一致リストには、ウイルスの伝播によく使用されるファイルの例がリストされています。

   一般的に、このようなファイルは通常のビジネスコミュニケーションでは必要とされないので、デフォルトで遮断してもあまり問題になりません。このルールを有効にすると、ファイルの拡張子に基づいて遮断が行われるので、対応するウイルス定義ファイルがまだ用意されてない新しい脅威からもExchangeサーバーを保護できます。

ZIPファイルの推奨事項

   最近の多くの脅威では、ZIPなどのコンテナファイルが使用されています。企業がZIPファイルにどう対処するかは、許容するリスクをどう判断するかによって異なります。すべてのコンテナファイルを遮断している会社もあれば、より細かい条件を設定している会社もあります。Mail Security for Exchangeは、次の機能によるきめ詳かい制御を可能にします。

  • パスワードで保護されたZIPファイルは例外ルール(暗号化ファイルルール)で処理して、さまざまな処置を選択できます。パスワードで保護されていないZIPファイルは許可されます。パスワードで保護されたZIPファイルは検疫されるか、削除されます
  • ZIPファイルに含まれている場合も含め、特定の種類の添付ファイルを遮断します。これにより、ZIPファイルに含まれている場合であっても、危険な種類の添付ファイルを個別に遮断できます。Microsoft Office文書など、危険性が少なくビジネスに重要な文書は、ZIPファイルに含まれていても許可されますが、脅威を媒介することが多いファイル(*.exe、*.bat、*.scrファイルなど)は遮断されます

表4:ZIPファイルの推奨事項


カスタムポリシーのガイドライン

   管理者は数多くの課題に対処するために、カスタムポリシーを適用できます。たとえば、発行する必要のある通知が限られている場合には、カスタムポリシーが便利です。

   夜間に情報ストアのマニュアルスキャンを実施し、ストア内のメッセージがAuto-Protectスキャンですでに検査されている場合、管理者は最小限の通知とアラートを発行するのみで済みます。管理者はサイトに必要な数だけカスタムポリシーを作成できます。

   カスタムポリシーを使用する状況としては、次の場合があります。

  • 特定の名前の添付ファイルを持つメッセージが、既知の問題に関連付けられている。添付ファイルの検索を唯一のルールとして持つカスタムポリシーがマニュアルスキャンにリンクされ、すぐに実行される
  • オーバーヘッドを減らすために、インターネットからExchangeストアに到着した暗号化されたアーカイブはログに記録するのみで、それ以外の処置は実行しないようにAuto-Protectスキャンを設定する。これらの暗号化メッセージを検索し、削除する独立したカスタムポリシーは、オフ時間に実行される
  • 会社の重役宛のメールをフィルタ処理するカスタムポリシーを定期的に実行する

表5:カスタムポリシーを利用する場合

前のページ  1  2


株式会社シマンテック
著者プロフィール
株式会社シマンテック
シマンテックは、情報のセキュリティ、アベイラビリティ、整合性の確保に役立つソリューションを個人や企業のお客様に提供する世界的なリーダーです。米国カリフォルニア州クパティーノに本社を置くシマンテック コーポレーションは、現在、世界40ヶ国以上で事業を展開しています。
http://www.symantec.com/jp


INDEX
第13回:Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項
  Symantec Mail Security for Exchangeの設定
ファイルフィルタルール
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ
第1回 電子メールのセキュリティと可用性
第2回 電子メールシステム強化の取り組み(前編)
第3回 電子メールシステム強化の取り組み(後編)
第4回 電子メール管理の重層的アプローチ
第5回 電子メールのセキュリティのポイント
第6回 電子メールのアーカイブ化と耐性基盤の構築
第7回 電子メールセキュリティの強化
第8回 電子メールのアーカイブ化
第9回 耐性システムを構築する
第10回 電子メールセキュリティと電子メールアーカイブソリューションのまとめ
第11回 迷惑メールの遮断
第12回 Symantec Mail Security for Exchangeの設定概要
第13回 Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項
第14回 ゲートウェイサーバー層におけるネットワーク境界の保護
第15回 電子メールのコンプライアンス
第16回 コンプライアンスにおけるITの役割

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る