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| SaaSとSaaSを取り巻くエンタープライズIT社会の将来ビジョン | ||||||||||||
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古川:SaaSは大きな期待を背負っていますが、まだ実際には課題もあると思われます。現在の状況をどのように見ていらっしゃいますか。 宇陀社長:エンタープライズ系IT産業は成熟してきたと見る人もいますが、将来まだまだ大きく発展していくと思います。自動車の歴史を考えると、昔は自動車もカスタムメイドで作られる高価なものでした。 それが、「馬車」のように必要なときだけ乗れる形態が出てきて、現在の「バス」へと発展してきました。さらには、セカンドカーを持つ人まで出てきているほど、大衆化してきました。それと並行して高速道路が整備され、自動車保険が生まれ、パーキング設備が整ってきたり、住宅の設計も変わって各戸に車庫が設けられるようになってきました。このような様々な波及効果をもたらし、それとの相乗効果で自動車文化は発展してきたのです。 ITについて見れば「カスタムメイドの車」とまではいわなくても、まだまだ高級車のレベルで一般大衆化しているとはいえません。 しかし、徐々にブロードバンドが普及しはじめてトラフィックも増え、周辺環境が整いはじめてきている状況です。Webに関してもGoogleやYahooを使うのに、特別なトレーニングは要りません。だから急速に広がったのです。そのような環境が広がりはじめています。その中で、エンタープライズ系の今ある課題は1つずつ克服されていくでしょう。今はまだその途上にあるのです。 古川:SaaSは今後どのような姿に発展していくのでしょうか。 宇陀社長:GoogleやYahooが、将来どうなっていくかということは誰にも分からないのではないでしょうか。ロードマップが決まっていて、計画どおりに進めていることばかりではありません。誰かが新しい使い方をはじめて、それが面白いからと他の人もやりはじめて、そうやってユーザの支持に従ってサービスが発展し広がっていくこともあるのです。 提供側主体で作っているパッケージとは異なり、ユーザが牽引していくSaaSのような流れは、急速なスピードと幅をもって広がっていくでしょう。 古川:SaaSとSaaSをつないだ「バーチャルエンタープライズ」のような夢のようなシステムもあり得るのでしょうか。 宇陀社長:複数のSaaSを使い分けていくそのような形態も、現実的に考えられるでしょう。企業はその会社の本来やるべきことに注力して、システムなど持つ必要が無くなる時代がやがてやってくる可能性があります。 |
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| SaaSが見せた可能性とは? | ||||||||||||
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一般コンシューマ向けのWebの世界は急速な発展を遂げているのに対して、エンタープライズITサービスの世界は遅れている印象が否めない。しかし「エンタープライズの世界にもまだまだ新しい面白いことが出てくる」「今使っているシステムはもっともっと便利になる」そんな希望をより現実的なものとして、SaaSは我々の前に見せてくれている。 「第1回:セールスフォースに見るSaaSの衝撃」の冒頭で見た、セールスフォース・ドットコム主催のカンファレンス「Dreamforce07」に詰め掛けたユーザやパートナー企業は、完成されたサービスとしてのSaaSのファンであるというよりも、まだ発展途上で、可能性に満ちたエンタープライズ系ITの世界を、SaaSに参加しながら共に開拓しているということにエキサイトしているのではないだろうか。 |
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