第5回:経営の可視化の実現策 (1/3)

経営の可視化
企業活動と経営の可視化

第5回:経営の可視化の実現策

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/4/17
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可視化するための企業システムの全体像

   今回はこれまでに述べてきた「企業活動や経営の可視化」についての実現策を検討していく。

   「第1回:企業の生産活動をどのように可視化していくか」で、企業の構造には「経営層」「ミドルマネジメント層」「オペレーション層」があり、それぞれの活動について解説した。今回はその活動状況をどのようにして「見える仕組み」にするかを検討していく。
マネジメントに必要な情報を管理する

   経営環境の変化に対して機敏に対応するためには、現状の企業活動の情報が集約されて見える必要がある。

   ミドルマネジメント層はオペレーション層の活動状況の情報を管理している。経営層では、ミドルマネジメント層から実績として出された情報から意思決定を行う(図1)。これらは企業の特性や経営戦略などによって変化する。

可視化を前提とした企業システムの全体イメージ(一例)
図1:可視化を前提とした企業システムの全体イメージ(一例)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   一般的にこれらのマネジメント情報は、拠点ごとや製品ごとに情報を集約する必要があるため、多次元データベースを用いて管理していく。


なぜ多次元データベースなのか

   多次元データベース活用の背景としては、以下の2つの要因が考えられる。

情報系処理の一部ダウンサイジング化
  • ディスク容量の制限により、日々の実績データ以外は消しており、必要なデータが保存されていない
  • 基幹系と情報系データの整合性を保持する必要があるためめ、自由に加工ができない
  • 変化するユーザのニーズに対応できず、結果として開発期間、開発コストが増加する
エンドユーザコンピューティングの適用
  • ニーズを持つ人が操作を行える
  • 目的に特化したデータベースの出現(多次元データベース、大容量データベース)
  • ハードウェアの低価格化

表1:多次元データベース活用の背景

   つまり目的に応じた多次元的・多目的なデータの見方が必要となり、多次元データベースが出現したのである。

多次元データベースの必要性
図2:多次元データベースの必要性

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株式会社オープンストリーム  赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


INDEX
第5回:経営の可視化の実現策
可視化するための企業システムの全体像
  多次元データベースの適用例
  計数管理情報の集約
企業活動と経営の可視化
第1回 企業の生産活動をどのように可視化していくか
第2回 製品ライフサイクルの観点から見る製品情報の可視化
第3回 原価企画の観点から見るコスト情報の可視化
第4回 戦略的調達の視点から見る調達情報の可視化
第5回 経営の可視化の実現策

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