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MySQL Conference & Expo Report
次期バージョンの姿が見え、より飛躍するMySQLを追う
著者:
野村総合研究所 梶山 隆輔
2007/5/16
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高可用性のための機能やソリューション
MySQLをベースにした信頼性の高いデータベース構築のため、高可用性を実現するためのシステム構成やソリューションについても、数多くのセッションが行われた。特に複数のセッションで紹介されていたのが、Distributed Redundant Block Device(DRBD:注2)を利用した複数サーバ間での同期型のデータの複製だ。
※注2:
Distributed Redundant Block Device
Linux環境で2ノードフェールオーバー型クラスタを実現するGPL準拠のソフトウェアで、共有ディスクを使わずに2台のPC間でネットワークを経由してディスクミラーリングを行うことができる。
DRBDによってファイルシステムより下位にあたるディスクのブロックレベルでのデータ同期の設定を行い、複数のLinuxディストリビューションに標準で同梱されている「Heartbeat」と組み合わせることで、シェアードディスクなしで高可用性を持った構成を構築できるようになるそうだ。
なおコピー先のファイルシステムはアンマウントされている必要があり、フェイルオーバー発生時にマウントした上でMySQLを起動する。そのためMySQL Clusterよりフェイルオーバーに時間がかかるものの、手軽に高可用性クラスタを実現できる構成といえるだろう。
また高い信頼性を求めるテレコム向けのソリューションとして、MySQL Clusterで構成した高可用性構成を物理的に離れた拠点に配置し、その拠点間でもデータの同期を行う「MySQL Cluster Carrier Grade」が紹介された。これはNokiaなど大手通信関連メーカーなど各社向けにカスタマイズして提供するソリューションのため、パッケージ化して市販する予定はないというが、もし興味がある人は営業担当者に個別にアプローチして欲しいとのことだ。
日本でもMySQL Users Conference が開催される
Mickos氏の基調講演や今回のカンファレンス全体を通じての印象としては、Web 2.0やWebベースのビジネスでの利用が前面に出されており、金融系や基幹システムでの利用事例などにはあまり触れられていなかったのが残念なところだ。しかしこれは今年3月にMickos氏が来日した際に日本のパートナー企業とのレセプションの場で語っていたマーケットへのアプローチと合致しているところでもある。このようにMySQLが得意とする分野はビジネス的に継続的に成長することが見込まれており、同社の更なる成長も期待できるだろう。
図7:会場と参加者の様子
なお最終日の講演では、今年9月に日本でもMySQL Conference & ExpoがMySQL Users Conference Japan 2007の名称で開催されることが発表され、日本国内だけではなくアジア各国を含めた全世界からの参加を呼びかけていた。日本におけるMySQL Users Conferenceは米国以外でははじめての開催となるのだ。この時期はバージョンの5.1のリリースが近いこともあり、また世界的に高いシェアを占めるようになったMySQLの開発者と日本で会えるまたとない機会としても、多くの参加者が集まることだろう。
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MySQL Conference & Expo Officeial Site
http://www.mysqlconf.com/
写真提供:James Duncan Davidson
http://duncandavidson.com/
著者プロフィール
株式会社野村総合研究所 梶山 隆輔
野村総合研究所 情報技術本部 オープンソリューションセンター 副主任テクニカルエンジニア
OSSC(オープンソースソリューションセンター)のメンバーとして、JBossやMySQLを中心としたオープンソース・ソフトウェアを用いたシステム基盤の構築や講演などを通じたオープンソース関連の情報の発信を行っています。
OpenStandia
http://openstandia.jp/
INDEX
次期バージョンの姿が見え、より飛躍するMySQLを追う
「MySQL Conference & Expo」の概要
次バージョン以降のリリーススケジュール
高可用性のための機能やソリューション