第2回:システムの起動 (2/2)

徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応
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第2回:システムの起動
著者:クロノス  中島 能和
編者:ソキウス・ジャパン   2005/12/7
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解答

   1ページ目の問題の解答を掲載します。解答には、問題の正解やその理由だけでなく、用語や重要事項などが詳しく解説されています。
第1問の解答: /etc/rc.d/rc2.d または/etc/rc2.d

   システム起動時に起動されるサービスの起動スクリプトは、ランレベルに応じて/etc/rc.d/rc<ランレベル>.dディレクトリ(または/etc/rc<ランレベル>.d)に格納されています。したがって、ランレベル2の場合は/etc/rc.d/rc2.d(または/etc/rc2.d)となります。ランレベルごとの起動スクリプトの格納ディレクトリは、次の表のとおりです。

【ランレベルごとの起動スクリプトの格納ディレクトリ】
ランレベル ディレクトリ(Red Hatなど) ディレクトリ(Debianなど)
0 /etc/rc.d/rc0.d /etc/rc0.d
1 /etc/rc.d/rc1.d /etc/rc1.d
2 /etc/rc.d/rc2.d /etc/rc2.d
3 /etc/rc.d/rc3.d /etc/rc3.d
4 /etc/rc.d/rc4.d /etc/rc4.d
5 /etc/rc.d/rc5.d /etc/rc5.d
6 /etc/rc.d/rc6.d /etc/rc6.d
   なお、これらのディレクトリに格納されている起動スクリプトは、/etc/rc.d/init.d(または/etc/init.d)ディレクトリにあるスクリプトへのシンボリックリンクです。


第2問の解答: E

   /etc/inittabファイルの書式は次のとおりです。

 [ ]内は省略可能
ID:[ランレベル]:アクション指示子:[実行するプロセス[引数]]
ID:4文字以内の任意の識別子
ランレベル:当該行が適用されるランレベル(複数指定可能)



initdefault:デフォルトのランレベル
sysinit:起動時にすべてのランレベルで実行
boot:sysinitの実行後にすべてのランレベルで実行
bootwait:sysinitの実行後にすべてのランレベルで実行し、initはこの処理が終了するまで待機
ctrlaltdel:Ctrlキー、Altキー、Deleteキーを同時に押したときに実行
wait:一度だけ実行され、initはこの処理が終了するまで待機
respawn:指定したプロセスが終了した場合に再起動
   選択肢Eは、ランレベルを指定するフィールドにアクション指示子の「wait」が記述されているため、不正な書式です。誤りを指摘する問題なので、Eが正解です。


第3問の解答: B、D

   /etc/inittabファイルのアクション指示子にrespawnが指定されていると、引数に指定したプログラムが終了しても再び起動させます(B)。また、ランレベルを指定するフィールドに「2345」と記述されているので、この行はランレベルが2〜5のいずれかのときに処理対象となります(D)。

   なお、mingettyとは、コンソールでログインプロンプトを表示するプログラムです。ログアウトしても再びログインプロンプトが表示されるのは、/etc/inittabファイルのmingettyに関する行にrespawnが指定されているためです。

/etc/inittabファイルの内容(抜粋)
1:2345:respawn:/sbin/mingetty tty1
2:2345:respawn:/sbin/mingetty tty2
3:2345:respawn:/sbin/mingetty tty3
4:2345:respawn:/sbin/mingetty tty4
5:2345:respawn:/sbin/mingetty tty5
6:2345:respawn:/sbin/mingetty tty6
A. プログラムの処理が終了するまでinitプロセスを待機させる場合、アクション指示子はwaitとなります。
C. 最初のフィールドに「2」と指定されているのは、ランレベルではなくエントリの識別IDです。
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書籍紹介
徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応
徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応 本書は、LPI認定試験レベル2の合格を目指す方を対象とした問題集です。LinuxとLPI認定資格の研究を長年続けてきた著者が、受験者が試験範囲を効率よく学習を進めることができ、かつ確実に実力が付くことを第一に考え、執筆しています。試験範囲の「201試験(Linux応用管理)」と「202試験(Linuxネットワーク管理)」について300問以上の問題を収録し、実際の試験に近い形式で網羅しているので、問題を解くごとに合格レベルの実力が身に付きます。解説を読めば、Linuxとネットワークに関する知識や、用語と重要項目の理解度もますます深まります! Linuxエンジニアを目指す、すべての方におすすめです。
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株式会社クロノス 中島 能和
著者プロフィール
株式会社クロノス  中島 能和
株式会社クロノス常務取締役。LPI認定試験対策メールマガジンの発行や各種セミナーを通じて、LPI認定試験の啓蒙活動を行っている。


株式会社ソキウス・ジャパン
編者プロフィール
株式会社ソキウス・ジャパン
クォリティ・メディア・カンパニーを標榜する出版社。2001年11月設立。2002年10月より株式会社インプレスと協業し、これまで30冊近い「徹底攻略問題集」を編纂する。また、自社で月刊「オープン・エンタープライズ・マガジン」を発行、発売している。
http://www.sociusjapan.co.jp/


INDEX
第2回:システムの起動
  問題
解答
徹底攻略 LPI問題集 Level 2対応
第1回 カーネル
第2回 システムの起動
第3回 ファイルシステム
第4回 ファイル共有サービス
第5回 ハードウェア
第6回 システムメンテナンス
第7回 スクリプト、スケジューリング
第8回 トラブルシューティング
第9回 ネットワーク
第10回 メールとネットニュース
第11回 ネームサーバ
第12回 Webサーバ
第13回 クライアント管理
第14回 セキュリティ

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