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多角的に考察する BPM再入門
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第2回:BPMNの表現を使ったBPMモデル作成
著者:メタジトリー  丸山 則夫   2006/6/1
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ビジネスプロセスモデルのモデル作成

   今回はBPMの標準表記法であるBPMNの表現を使ったビジネスプロセスモデルのモデル作成とそれに伴う技術の解説をします。

   最近「可視化」という言葉をよく耳にしますが、ビジネスの世界での「可視化」は「いつ/どこで/誰(組織)が/何(業務)を/なぜ(業務ルール)行うか/行ったか」をはっきりさせることです。

   ビジネスを可視化する手段として「モデル化」があります。その主な構成要素として業務処理(タスク)/組織/流れ(接続)/ビジネスルール(ルートの判断)があり、図1は改善前と後のモデル化の簡単な例です。

改善前・後のモデル化の例
図1:改善前・後のモデル化の例


モデルの構成要素

   モデルの構成要素について、項目ごとに解説します。


業務処理「タスク」

   業務処理(タスク)は何かしらの指示と情報を基に何かしらの新たな情報を作り、他の業務処理へ指示(依頼)して終了することと定義します。情報を除くと業務処理(タスク)は何か指示により活動し、他の業務処理(タスク)に指示(もしくは依頼)を行って終了することになります。

   例えば、報告書を作成する業務処理(タスク)は何かの指示(依頼)により報告書を作成し、他の業務処理(タスク)に指示(依頼)します。それを受けて、他の業務処理(タスク)は報告書を受け取ります。

   つまり、ここで新たな相手や自身という「誰」が加わります。業務処理(タスク)と指示(依頼)と組織でビジネスプロセスを定義するのです。


組織

   組織(担当)はその業務処理(タスク)を実施する時の必要なリソースを保有し、パフォーマンスを測る部分です。組織が「忙しい/暇」であるというのがわかりますので、その状況で最適なパフォーマンスに維持することがビジネスプロセスマネジメントまたはビジネスパフォーマンスマネジメントの役割といえるでしょう。

   例えば、組織(担当)は自身の仕事の混み具合を見て仕事を遂行します。


流れ(接続)

   業務処理(タスク)は単独には存在せず、「指示され/指示する」ものです。指示する時は無条件に相手が決まるものと条件により変わるものとがあります。


ビジネスルール(判断)

   条件により業務処理(タスク)の実行が変わる時、その条件の整理を行い、モデル上で表現、またはその部分を切り出し整理します。それがビジネスルールです。

   例えば、稟議で100万円を超えない時には決済不要で実施でき、超える場合には部長の決済が必要であるならば2つの流れがあることになります。ある場合にどちらのルートを利用するのかを決めるのがルールです。


ビジネスプロセスモデル

   上記の要素を組み合わせてモデルを作ります。

   ビジネスプロセスモデル表記は製品により異なり、独自方式や標準方式などは沢山ありますが、今回は国際標準の表記法であるBPMN(Business Process Modeling Notation)を紹介します。

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株式会社メタジトリー 丸山 則夫
著者プロフィール
株式会社メタジトリー  代表取締役社長
日本BPM協会  理事   丸山 則夫

経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。

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第2回:BPMNの表現を使ったBPMモデル作成
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