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ビジネスプロセスの可視化を実践するBPMS |
第6回:BPM Studioを使ってBPMアプリケーションシステムを構築する
著者:日本プロセス 菊田 朋史 2007/5/8
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柔軟なBPMアプリケーションシステムを構築する
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それでは「第5回:BPM Studioを使ってプロセスを組み立てていく」に続き、Savvionにおける業務プロセスフロー「BizLogic」を補完するための機能を説明します。
今回は下記の2つを重点的に説明していきます。
- 画面フローの開発環境である「BizSolo」
- 「BizLogic」および「BizSolo」で他システムとの連携に用いられる「各種アダプタ」
表1:今回のポイント
これらを利用することで、よりflexible(柔軟)なBPMアプリケーションシステムを構築することが可能となります。
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画面フロー開発(BizSolo)
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「第5回:BPM Studioを使ってプロセスを組み立てていく」では、プロセスモデラー(Savvion ProcessModeler)を用いて作成された業務フローをどのようにBPMアプリケーションに実装していくかについて紹介しました。業務支援アプリケーションとして考えた場合、実際に個々の業務を担当する人が操作する画面(画面フロー)についても、作業をスムーズに進めるかつ必要な情報を必要なタイミングで参照するために重要なものとなります。
この部分は、従来からWebアプリケーション開発において非常に多くの工数をかけて使い勝手の良いものが多数提供されてきています。しかしBPMシステムのように業務フローの改善を前提とするシステムにおいては、業務フローの改善にあわせて速やかに業務画面も変更できるものが求められています。
「使い勝手のよい操作画面の提供」と「業務フローに合わせて速やかに変更」という矛盾した2つの要求を満たすためにSavvionは「BizSolo」という画面フロー開発環境を提供しています。
図1:業務フロー(BizLogic)と画面フロー(BizSolo) (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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業務フロー(BizLogic)と画面フロー(BizSolo)の違い
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BizLogicは、複数の部署、複数の担当者で実施される業務の流れ(業務フロー)を実装し、加えてWebアプリケーションとして実行するためのコンポーネントでした。つまり、BizLogicフローに表現される1つのステップには、複数の行為/作業が含まれることになります。
例えば「問い合わせ顧客情報の登録」というワークステップには、下記のものがあります。
- 問い合わせ顧客の既登録、既問い合わせの有無確認
- 顧客情報の照会
- 過去の問い合わせ履歴の照会
表2:「問い合わせ顧客情報の登録」に必要なワークステップ
これらを段階的に複数画面で処理する(画面フロー)際に役立つのがBizSoloとなります。
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BizSolo開発の実際
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画面フロー(BizSolo)アプリケーションを実装するためには、BizLogic同様にBPM Studioを利用します。画面フローアプリケーションを作成する際、画面遷移や画面間でやり取りするパラメータ値についてSavvionはワークフローをデザインするのと同等の操作で記述します。
BizLogicの業務プロセスフローで業務ステップと業務ステップを繋いでいる線が、画面フローではWeb画面のボタンや文字リンク、画像リンクとなります。またBizLogicの場合は人(アクティビティ)のアイコンが「サブプロセス」や「1つの画面」または「BizSolo(複数画面)」となりましたが、BizSoloの人のアイコンは「1つの画面」のみをあらわします。
図2:BizSoloフロー (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
BizSoloでは、画面間で共有するデータの保持期間がHTTPのセッションが切断される、あるいはタイムアウトが発生するまでとなります。BizLogicの場合は業務の開始日から完了日まで保持するので、タイムアウトという概念は存在しません。いうなれば「業務の完了期限日」というところでしょう。
ここまで説明するとほとんどの方が気づかれるでしょう。BizLogicとBizSoloの違いは以下のような点が異なるのです。
- BizLogicフロー(業務プロセスフローアプリケーション)
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- データの保持期間は業務プロセスが開始してから終了ステップに到達するまでの期間
- 入力されたデータの記録は永続的に残ります
- BizSoloフロー(画面フローアプリケーション)
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- データの保持期間は画面を表示して複数画面操作した後、操作を「一時保存する」あるいは「完了させる」イベントをサーバに送信するまでの期間
- 入力されたデータはデータベースあるいはBizLogicフローのデータスロットに記録しない限り残りません
表3:BizLogicとBizSoloの違い
したがって、BizLogicとBizSoloを明確にレベル付けし、かつ組み合わせることで効率的なサービスと機能の分離、さらには共通化が行えることとなります。
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著者プロフィール
日本プロセス株式会社 新規事業部 サヴィオン ビジネスユニット 菊田 朋史
1998年同社入社。オブジェクト指向でのWeb系業務システム開発に従事。アーキテクトとしていくつかの開発プロジェクトを経てサヴィオン事業に参加。現在はプリセールを担当。
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