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| システム開発におけるドキュメントのあり方 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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システム開発に携わる方なら「決められたドキュメントを作成したけど、それが何に使われたのかよくわからない」や「たくさんのドキュメントを作成したけど、本番リリース後にはほとんど読みもしない」といった経験をしたことがあると思います。 特に上流工程のドキュメントは、設計者とユーザ、そして設計者と製造者との間のコミュニケーションツールといえます。このコミュニケーションツールという側面をしっかり認識し、ドキュメント作成が設計者の自己満足で終わってしまわないように、作成の目的や役割を理解した上で着手する必要があります。 このようなドキュメントはコミュニケーションツールですから、技術や知識の少ない人にもわかりやすいものになっている必要があります。特にDOAの現場では、多少の差はあるものの、上流工程で必要とされるドキュメントの種類は決まっています。その例として「第1回:DOAを採用した現場の実態とは」において掲載した成果物一覧を表1に再掲します。
表1:成果物一覧(再掲) 今回は、上記の観点を踏まえた上で、データモデリングの前段としての「要件一覧(要件整理表)」と「業務フロー」、そして従来からDOAで一般的にあつかわれているものとして「DFD(データフローダイアグラム)」と「ER図(以下、データモデルと表現)」「CRUDマトリックス」の計5つのドキュメントについて、その役割やあり方などについて筆者の経験から述べていきます。 |
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| 要件一覧(要件整理表) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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設計者側には、ユーザの要件を体系化して整理したり、不足を補うことが求められます。ユーザからだされた要件項目は粒度も粗く、あいまいな表現が多く含まれており、暗黙的要件も多く存在します。 設計者側がイメージをふくらませて設計を行った結果、ユーザがイメージしていたものとの違いから、多くの要件漏れや仕様の食い違いが発生しています。実際の現場で、「ユーザのいう通りに作ったら」や「ユーザが要求しなかったから(いわなかったから)」などの言葉を耳にされた方も多いでしょう。 要件一覧においては「ユーザ要件が設計にどう反映されるかを明確に想定できる」というレベルまで詳細に記述することを目標とします。設計を進める過程で要件を補っていくことは、極力、少なくしなければなりません。 ユーザ要件を整理する際は、ユーザの要望を漫然と一覧に記述するだけでは不十分です。要件を階層化し、表2のような「FURPS」のカテゴリに分割してヒアリングを進めていくことが効果的です。
表2:FURPSのカテゴリ このように整理しておくことで、要件にみやすさが生まれ、要件に対する優先順位を付けやすくなります。また、要件間の不整合を発見しやすくなるといった利点もあります。 しかし、納期との兼ね合いを考慮すると、すべてを均一に詳細化する必要はありません。大切なのは「ユーザ側と設計者側でコンセンサスが得られていること」です。両者の間で自明の事項であれば、粒度の粗いままでもかまいません。例えば、標準のフレームワークが存在するのであれば「フレームワークに沿った操作性に準拠する」という記述で、非機能要求に応えられるケースもあるでしょう。 |
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