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W-ZERO3で電車プログラマになるための開発環境術
W-ZERO3で電車プログラマになるための開発環境術

W-ZERO3で開発言語の達人になろう

著者:シンクイット編集部   2007/10/12
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モバイル端末を使ってプログラミングの自主トレをする

   先月Think ITで公開した特集「秀逸なる開発環境」でプログラミングに挑戦しはじめたり、仕事で必要に迫られて日々学習を続けている人にとって、電車の中も貴重な知識習得のひと時だろう。かといって電車の席に座ってノートPCを広げるのもちょっと恥ずかしいというあなた。最近注目されている「スマートフォン」を使って、お手軽開発&言語習得に役立ててみてはいかがだろうか。

   「スマートフォン」のなかでも、多くのユーザがいるのがwillcomから販売されている「W-ZERO3」だ(製造はシャープ)。W-ZERO3で稼働するさまざまなアプリケーションが公開されているが、中には開発環境系のツールもあるのだ。

   先日リリースされたAdvance版に買い替えた人が増えたためか、ネットオークションなどでは中古が1万円弱程度から流通しており、今後はより格安で入手することもできるだろう。電話機能を使わなくとも、言語やツールの自主トレなどにW-ZERO3を活用してみてはいかがだろうか。

   ここではプログラミングに興味を持っている人向けに、シンクイット編集部員の私物のW-ZERO3にさまざまな開発環境をインストールし、この1台でどんなことができるのかを実際のレポートを交えながら紹介していこう。

   ただしWindows MobileというOSのみならず、メモリ容量やCPUパワーなどの制限から、一般的な開発環境を実現できるものではないし、大規模なアプリケーションがつくれるわけでもない。実際に作動させるまでに手順を要するものもある。しかし「この言語はこうなんだ」と理解しながら楽しむ分には、、十分なものだ。

W-ZERO3でLinuxを走らすことができる!

   ご存じのようにW-ZERO3[es]のOSはWindows Mobile 5だ。しかしこの上にLinuxを走らせようというプロジェクトがある。それは「【ZERO3】リザぽん化プロジェクト【Linux】」で、巨大掲示板での話題から発足したものだという。ここでまとめられて動かせるようにしたものが「LinuxLoader on WindowsMobile」である。


   現在のところ、Linuxカーネルのバージョン2.6のbootまでは可能という状況だ。上記のWebサイトからファイルをダウンロードし、W-ZERO3上で実行するだけでLinuxが起動する。

   Mini SDカードの読み込みなど、地道に改良が加えられているようだが、現状ではすべてのLinuxコマンドを使えるようにはなっていないようだ。とはいえ基本的なものは利用できるので、電車の中や喫茶店などで、Linuxの基礎を学ぶにはおもしろいだろう。

W-ZERO3でLinuxを起動させたところ
図1:W-ZERO3でLinuxを起動させたところ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

topコマンドを実行させてみたところ
図2:topコマンドを実行させてみたところ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   将来的にはLinuxで稼働する様々なアプリケーションがW-ZERO3で動作することも夢ではないかもしれない。このサイズでLinuxやApacheが動作するサーバを持ち歩けるようになることを考えるだけでも、夢が膨らんでいくことだろう。


Basic

   この数年、初心者向けの開発言語というと「Java」といわれている。今でこそあまり使われなくなったが、前は「Basic」がスタンダードな初心者向け開発言語だった。そんなBasicをW-ZERO3で動かすことができるソフトがある。それが「ワンべぇWM: An Tiny BASIC for Windows」で、Windows Mobile 5.0上で動作するBasicインタプリタである。現在、Ver.0.03がWebにて公開されている。

   ちなみにW-ZERO3でも動作するTiny Basicを開発したのが、Think ITの連載執筆陣の1人でもある川俣氏である。

ワンべぇWM: An Tiny BASIC for Windows
http://www.piedey.co.jp/softs/wonbeWM003.html

   「ワンべぇWM: An Tiny BASIC for Windows」を動かすのはとても簡単だ。上記のWebサイトからインストールファイル(wonbeWMCab.cab)をダウンロードし、ホスト側PCで実行させるとW-ZERO3側のアプリケーションメニューに「wonbeM」が作られる。これを選択すればよい。

   サンプルコードも3つほどついているので、ソースを見たり実行させたりするのも簡単。Fileメニューから選んでRunを選択するか、コンソール画面から直接「Run」と入力し、Enterキーをたたけばよい。

起動したところ
図3:起動したところ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

サンプルのゲームを実行させた画面
図4:サンプルのゲームを実行させた画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   パソコン黎明期からプログラムに親しんできた人なら「懐かしい」という感想を持たれるだろう。実際の開発現場から遠ざかったものの、ちょっと昔に戻ってBASICで遊んでみるには手頃なソフトだ。

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