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レポーティング・ツールのチェックポイント
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レポーティング・ツールの利用者である管理職・一般社員は、データを定型的なレポートとして見るユーザ層です。このユーザ層は他のユーザ層に比べて利用するユーザの数がはるかに多くなりますので、セキュリティの確保や同時アクセス時のレスポンス時間の確保といった大量ユーザのサポートに関する機能が重要になります。
このようなニーズを満たすために必要となるレポーティング・ツールの機能の中でも、特に重要な項目は以下にあげる5つになります。
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レイアウト機能
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レポーティング・ツールのユーザ層は、画面切り替えの回数が少なく、わかりやすい操作でレポートを参照したいと考えています。つまり、通常業務で使用している印刷帳票と同様に、BIレポートであっても必要な情報は全て1つの画面に含まれていることが望ましいといえます。
したがってレポーティング・ツールにおいては、同一画面に複数の表やグラフを配置して自由にレイアウトできることがもっとも基本的な機能となります。
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レポート上での分析機能
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レポーティング・ツールは定型的なレポート参照を目的としていますので、複雑なOLAP分析操作は不要です。むしろこのユーザ層はツールを頻繁には利用しませんので、分析操作が可能な場合でも非常に簡単でわかりやすい操作方法であることが重要になります。
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フォルダ機能とセキュリティ機能
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レポーティング・ツールではユーザ数が多いだけでなく、様々な種類の定型的なレポートが開発され、参照されることになります。そのためこれらのレポートを分類して、ユーザが参照したいレポートを簡単に見つけるためにフォルダ機能が必要とされます。
多数のレポートをフォルダ機能で体系的に管理することになると、今度はどのレポートをだれに見せるのか、あるいは見せないのかというセキュリティ上の問題が発生します。これを解決するためには、ユーザとレポート・アクセス権限の設定機能が必要となります。そのためレポーティング・ツールの選択において、レポート単位・フォルダ単位でのアクセス権限がユーザやユーザのグループに対して設定できるかどうかが重要なチェックポイントとなります。
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バッチ・レポーティング機能
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レポーティング・ツールにおいて、もっとも重要な選択基準は大量ユーザの使用に耐えられるかどうかです。しかしレポーティング・ツールで開発されるレポートは、リレーショナル・データベースに対してSQLクエリーを実行することで、初めて結果を表示することができます。このため多くのユーザが同時に同じレポートを参照しようとすると、データベース・サーバの負荷が一時的に大きくなってしまいます。これを解決する方法の1つが、あらかじめSQLクエリーを実行しておいて、その結果をキャッシュに保存しておくバッチ・レポーティング機能です。
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ファイル出力機能
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レポーティング・ツールのユーザ層は数が多いだけに、検索したデータを2次的に加工したいとか、きれいに印刷したいといった付加的なニーズが発生します。これをレポーティング・ツールそのもので解決しようとすると、本質的な機能が軽視される、導入コストが増大するといったことに繋がり、BIツール選択の失敗につながりかねません。したがって、レポーティング・ツールが持つ多様な形式のファイル出力機能を評価し、付加的なニーズはユーザ独自の解決に任せるというのが、現実的な解決策といえます。
それでは、これらの5つの項目を個別に詳しく見ていきましょう。
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著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
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