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フォルダ機能とセキュリティ機能
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レポーティング・ツールが主に定型的なレポートの開発と参照に使用される以上、エンドユーザが参照するレポートの種類は必然的に多くなります。そのため多種類のレポートを分類し、ユーザが見たいレポートを簡単に見つけるためのフォルダ機能が必要とされます。
OpenOLAPでは図9のように、「レポート」という名前がついた最上位のフォルダの下にサブフォルダを作成してレポートを格納することができます。左側のフォルダ・ツリー領域にフォルダの階層が表示され、右側のメンバー・リスト領域に選択中のフォルダに含まれるサブフォルダとレポートの名前・属性が一覧表示されています。
図9:OpenOLAPのフォルダ機能
フォルダ機能で標準的に必要となるのは、フォルダの新規作成、名称変更、移動、削除の4つの機能です。図10にOpenOLAPでのフォルダの新規作成操作の例を示します。メンバー・リスト領域で右クリックするとポップアップメニューが表示され、そこから追加を選択するとフォルダの新規作成のダイアログが表示されます。この例ではルートである「レポート」フォルダの下に「営業部2」というフォルダを新規作成しています。
図10:フォルダの新規作成操作
多数のレポートをフォルダ機能で体系的に管理することになると、今度はどのレポートをだれに見せるのか、あるいは見せないのかというセキュリティ上の問題が発生します。
これを解決するためには、ユーザやユーザのグループを設定する機能とユーザやユーザ・グループがどのレポートやフォルダをアクセス可能にするかを設定する機能が必要です。
それでは、まずOpenOLAPでのユーザとユーザ・グループの設定機能を見てみましょう。
ユーザ設定の際にはユーザが所属するユーザ・グループをすでに定義済みのユーザ・グループから選択できる(図11の上)と同時に、ユーザ・グループ設定の際にはユーザ・グループに所属させるユーザとすでに定義済みのユーザから選択できる(図11の下)ようになっています。
図11:ユーザとユーザ・グループの作成
さて、ユーザとユーザ・グループの定義が終了したら、次にアクセス権限の設定を行います。OpenOLAPでは図12のように、まずはツールの機能選択メニューの権限設定からアクセス権限の設定対象となるユーザ・グループを指定します。続いて、フォルダ・ツリーとメンバー・リストが表示されますので、フォルダ単位もしくはレポート単位でのアクセス権限を個別に指定していきます。
図12:アクセス権限の設定
ほとんどのBIツールでは、BIツール自体で定義したユーザとユーザ・グループを使用することを標準としています。しかし一部の企業ではすでにディレクトリ・サーバなどを使用して複数のシステムのユーザを一括管理しています。このような場合には、ユーザやユーザ・グループの定義情報がBIツールで定義したものだけでなく、企業内で一括管理している定義情報を使用できるかどうかも重要なポイントとなります。
今回はレポーティング・ツールの選択のポイントとして5つの項目をあげ、その内の最初の3項目について詳しく解説しました。次回は残りの2つの項目について解説します。
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著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
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