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OSS評価手法
オープンソースソフトウェアの性能・信頼性評価手法

第1回:開発基盤ワーキンググループインタビュー

2005/5/17
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はじめに

   オープンソースソフトウェア(以下OSS)を活用するにあたり、その課題を討議し、解決のための取り組みを行っているのが「OSS推進フォーラム」です。本連載ではOSS推進フォーラムの開発基盤ワーキンググループが発表した「OSSの性能・信頼性評価/障害解析ツール開発」の成果報告書(以下報告書)を元に記事を掲載していきます。

   第1回目は、開発基盤ワーキンググループで報告書の作成に関わった各社の方々に、報告書の目的や苦労話などのお話を伺いました。参加いただいたのは、日立製作所の鈴木氏、杉田氏、NTTデータの三浦氏、新日鉄ソリューションズの稲木氏、野村総合研究所の西片氏、ミラクル・リナックスの吉岡氏、住商情報システムの菅原氏、SRAの松田氏、ユニアデックスの高橋氏の9名です。


シンクイット 開発基盤ワーキンググループが始まったのは、どういった背景やきっかけがあったのでしょうか?

(株)NTTデータ 三浦 広志氏(株)NTTデータ
三浦 広志氏
三浦氏   当初OSS推進フォーラムを作る話の中で、大まかに問題が2つありますね、と。ひとつはデスクトップ周りが重要ということ。もうひとつは基盤となるようなことが非常に不十分、つまり開発面でもサポート面でもいろんな問題があるね、と。とはいえ、ものすごく幅が広いので、何をやっていくべきかということをステアリングコミッティで議論し始めました。こうした問題の相談を日立製作所の鈴木さんに持ちかけたんです。


(株)日立製作所 鈴木 友峰氏(株)日立製作所
鈴木 友峰氏
鈴木氏   OSS推進フォーラムの代表幹事を日立から出しており、ステアリングコミッティの座長をNTTデータさんが担当されている関係で三浦さんからお話をいただいたと。

   それで、ステアリングコミッティの中ではすべて議論しきれないので、ワーキンググループを作りましょうということになって、デスクトップ周り、ユーザーサイド、サポート関連、そして開発基盤の4つに枝分かれしたんです。

   ステアリングコミッティの中では、日本でOSSの普及のためにはどんな課題の解決が急がれるのだろうかということを1ヶ月くらい議論しました。その中で優先的な課題を10個くらい決め、開発環境の整備とか、信頼性や性能に関する情報がないといったことがありまして、じゃあそうした問題の研究を開発基盤ワーキンググループで引き受けましょう、と。そうして始めたのが昨年の5月くらいですかね。そこがスタートです。

   ワーキンググループでは、サーバーサイドでの信頼性や性能に関する情報がないとか、エンタープライズでは障害解析に時間がかかっているとか、こういったところをどうしようかっていう議論から始めました。


シンクイット 開発基盤ワーキンググループは、はじめから8社そろってのスタートだったのですか?

鈴木氏   いえいえ、全然メンバーはそろっていなくて、途中からリクルートを始めたんです。

三浦氏   例えばPostgreSQLの性能の話は大事だね、そういう議論をするんだったらSRAさんは欠かせないよね、ディストリビューションの話ならディストリビューターがいないとね、とか。そんな感じでいろいろ声をかけさせていただきました。

鈴木氏   まずは性能の信頼性評価というのをやってみようという考えがあって、各社にどんな方法で評価をやってるかを聞いてみると、どこも同じようだとわかったのです。それならば一緒にやれば、少なくともコストの削減にはなるだろうと。ちょうどLinuxのカーネル2.6が出てくるタイミングでもあって、カーネル2.4のときと同じ評価をやり直すのも大変ですよね、と。その点でも、一緒にやることに賛同してもらえたんだと思います。

   それから評価対象をどうしようかということになって、カーネルやろう、アプリケーションもやろう、DBも必要だねってことで、SRAの松田さんやミラクル・リナックスの吉岡さんに来ていただいたり。住商情報システムの菅原さんには、自ら参加したいとおっしゃっていただきました。

三浦氏   一緒にやるというのは、同じ業界では難しい話なんですよ、普通は。でもオープンソースなので、何か違うアプローチの仕方があるんじゃないだろうかという考えもありました。深く突き詰めていけば、一緒にやれるところとそうでないところがあるんだろうけれど、現場レベルでやってみて、一緒にやれるところは一緒にやればいいんじゃないのか。そこから先はビジネスの話だから、そこではお互いに真剣勝負をすればいいという考えでした。

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資料紹介
「OSSの性能・信頼性評価/障害解析ツール開発」報告書

本記事は、OSS推進フォーラム 開発基盤ワーキンググループによって公開されている「OSSの性能・信頼性評価/障害解析ツール開発」報告書を基に記事を掲載しています。報告書には、本記事で紹介した評価手法の詳細な手順、評価結果、考察が記載されています。
Javaアプリケーション層の評価、DB層の評価、OS層の評価の各報告書や付録、障害解析ツール開発に関する各報告書などが、OSS推進フォーラム 開発基盤ワーキンググループのホームページにて公開されています。

■日本OSS推進フォーラム・開発基盤ワーキンググループホームページ
http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/DevInfraWG.html

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オープンソースソフトウェアの性能・信頼性評価手法
第1回 開発基盤ワーキンググループインタビュー
第2回 Java AP層の評価 〜 概要とカーネル比較
第3回 JBossと商用APサーバの比較
第4回 アプリケーション・プログラムの動作解析機能の開発とそれを用いた解析
第5回 DBT-1によるMaxDBの評価
第6回 PostgreSQLは使えるのか? 〜 あなたの環境での性能特性を調べる
第7回 大規模データベースにおけるPostgreSQLの性能評価
第8回 Linuxの性能評価
第9回 LinuxのI/O信頼性・性能評価