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2006 JavaOne Conference
2006 JavaOne Conferenceレポート
2006 JavaOne Conferenceレポート

OracleがJavaで目指す次世代アプリケーションプラットフォーム戦略
会場:サンフランシスコ Moscone Center
記者:ThinkIT編集局   2006/5/18
Oracleの戦略を構成する3つのキーワード

   2日目に行われた基調講演で「次世代のアプリケーションプラットフォームをOracleは目指していく」と、OracleのSenior Vice PresidentであるThomas Kurian氏は自社の戦略をこう語った。

Thomas Kurian氏
Thomas Kurian氏

   Kurian氏によれば、Oracleが目指す次世代アプリケーションプラットフォーム戦略における重要なキーワードには「Java EE 5」「SOA2.0」「Web2.0」があげられるという。

Oracleが目指す次世代アプリケーションプラットフォーム
Oracleが目指す次世代アプリケーションプラットフォーム

   またKurian氏によれば、Enterprise JavaBeans 3.0(EJB 3)とJava Persistence API(JPA)によって、「PHP」「Ruby on Rails」「Grails」「Spring」「JSR-223」といったサービスをまとめることができるという。「Java EE 5によって開発が簡易化され、ダイナミックでインタラクティブなアプリケーション開発が可能となる。これもJavaがオープンであるおかげです」と、Kurian氏はJava EE 5がオープンであることを歓迎した。


SOAへの対応

   まずKurian氏は、「SOAに対応するために、ESB/ルール/ワークフロー/BPELに焦点を当てた」とSOAに対する取り組みを紹介した。

ぶつかっているSOAプロセスへの対処
ぶつかっているSOAプロセスへの対処

   またステージ上では、このような場合に対処できるESBコントロールのデモが行われた。簡単な設定とドラッグ&ドロップによって操作を行うことができ、ESBコントロールのメリットをアピールした。


Web 2.0への対応

   次にKurian氏はWeb 2.0にも注力していることを述べ、Java EE 5をはじめとしてEJB 3、SDO、JavaServer Faces(JSF)、Ajax、Business Process Execution Language for Web Services(BPEL)などの動的な言語により、クライアントPCやモバイルといったプラットフォームに依存しないパワフルでリッチなアプリケーションとWebサービスを実現できるとした。

JSFの実装
JSFの実装

   最後にKurian氏はOracleの進化はコミュニティとの協力関係が重要であることを強くアピールし、Oracleとしてもより積極的に協力を続けていきたいと述べた。

コミュニティ一覧
コミュニティ一覧

   「Java EE 5」「SOA2.0」「Web2.0」がOracleの将来のミドルウェアにとって重要なものであり、Oracleとしても、Java EE 5の持つ意義は大きいものであると考えていることが伝えられた講演であったといえよう。


JavaOne会場の模様など

   JavaOneは基調講演やテクニカルセミナーだけではない。メインのプログラムとは違った側面もいくつかご紹介しよう。


長い一日に備えて

   参加された方はご存知だろうが、JavaOneでは参加者へのサービスの一環として、会場内で朝食が取れるようになっている。早朝から参加者が集まり、一緒に食事をしながらラップトップPCを広げ、世界各地から集まったJavaファン同士が今回のJavaOneについての話に花を咲かせている姿を多く見ることができた。

Javaファンが集う朝食
Javaファンが集う朝食


メディア出展

   年に一度のJavaの祭典であるJavaOneだが、展示ブースでは毎年多くのメディア(出版社など)が出展している。日本と同様、無料で雑誌やフリーペーパーなどが配布されていた。それらはXenやVMwareといった仮想化技術やRuby on Rainsなど、日本でもおなじみの内容が紹介されている。記事を見ると、余剰サーバ資源の有効利用や効率的なアプリケーション開発の話題などが掲載されており、日米のエンジニアが抱える問題は同じであるようだ。

米国メディアの出展
米国メディアの出展

(ThinkIT編集局:石黒大介)