ジャストシステムが昨年のJavaOne 2005で統合XMLアプリケーション開発・実行環境である「xfy」を発表した。発表から1年経った今、xfyはどのような進化を遂げたのだろうか。JavaOneの会場でジャストシステム社長である浮川和宣氏にxfyの製品コンセプトや今後の戦略を伺った。
— JavaOneで「xfy」の展示を行うのは2度目となりますが、来場者からの反応はいかがでしょうか?
ジャストシステム 浮川和宣氏(以下、浮川氏):昨年はすべてが手探りの状態でしたが、アメリカにオフィスを設立してチームを編成してから、本格的な技術をリリースできるようになりました。今年はJavaOneの会場を通じて、ジャストシステムがこの1年で得た成果についてデモを通じて参加者に伝えています。
ジャストシステム 代表取締役社長 浮川 和宣氏
— JavaOneに出展されている理由はなんですか?
浮川氏:xfyはもちろん、ジャストシステムの持つ高いテクノロジーを世の中に広め、特にレベルの高い技術力を持つ企業であることを知ってもらうためです。昨年度にはじめてJavaOneにxfyを出展しましたが、多くの方々に興味を持っていただき、自社の知名度の向上と共に製品についての問い合わせも多く寄せられています。
ジャストシステムのブース 常に多くの来場者でにぎわっていた
— なぜxfyを開発しようと思ったのですか?
浮川氏:10年ほど前から未来のアプリケーションの姿はどのようなものかを研究していました。当時はワープロのデータや扱いをどのように企業システムで有効にできるのかと考えていたのがはじまりです。
当時からジャストシステムは高い技術力とSGMLから培っている文書管理のノウハウを持っていたこともあって、XMLという新たしく登場したスタンダードの上に新たなITの活用方法を確立したいと思ったためです。
— ジャストシステムが考えるxfyの製品コンセプトを教えてください
浮川氏:xfyを一言でいえば、「XMLをベースとしたアプリケーションプラットフォーム」です。利用方法は限定されるものではありませんが、XMLドキュメントを利用するフロントエンドや企業のXML処理(バックエンドとしての利用)が考えられます。
ブースでデモを行っていたxfyの画面 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
xfyのデモンストレーション画像
現在XMLは報告書などのドキュメントと財務情報といったバックエンドのデータの2種類があると思います。しかし現在PCで扱えるのは数値だけであり、ドキュメントは数値にあわせるものとなっています。本来ドキュメントは逐次数値が反映されているはずなので、単純に数値にドキュメントをあわせていくのは疑問です。
そのようなこともあり、xfyは単純に部分を最適化するのではなく、ユーザのことを本当に考えた上で設計しています。人間が介在する限り、データの整合性をあわせてユーザにとって快適なものでなくてはなりません。
そのためにはユーザの利用方法を柔軟にすることが重要であり、真の意味でのBusiness Intelligenceを実現するのが「xfy」だと考えています。このことは多くの企業にとってイノベーションになると思います。
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