新しいSOAの実装方法「クライアント型SOA」のすすめ 3

クライアント型SOAの実例

はじめに前回ではクライアント型SOAの実践編として、設計・開発時のポイントとBtoCの事例を紹介しました。簡単な説明となってしまいましたが、クライアント型SOAがスモール・アンド・クイックスタートを実現できることを理解していただけたでしょうか。今回は、クライアント型SOAにおけるBtoBおよび社内

三野宮 聖二郎, 中岡 健

2005年10月28日 20:00

はじめに

前回ではクライアント型SOAの実践編として、設計・開発時のポイントとBtoCの事例を紹介しました。簡単な説明となってしまいましたが、クライアント型SOAがスモール・アンド・クイックスタートを実現できることを理解していただけたでしょうか。今回は、クライアント型SOAにおけるBtoBおよび社内システムの連携に焦点を当てた、国内初のクライアント型SOAをベースにした製品の実例を紹介します。

BtoBにおけるクライアント型SOA

近年、インターネットショッピングの規模が拡大して大型ECストアが増加していますが、それにともなって業務処理は複雑になり、作業負担の増加や高額なシステム開発コストの投資を強いられてます。

今回は、その問題を解決するクライアント型SOAを活用したECストア向けのソリューションについて紹介します。これは現在ECストアを運営されている方はもちろん、ECストアをお客様に持つSIerやBtoBシステム案件など他社サーバとの連携を検討されている方にも参考としていただきたいです。

今回の事例を自分がイメージしているシステムとどう違うのかを照らし合わせながら読んでいただけると、クライアント型SOAの利点がより理解しやすくなると思います。

 

ECストア向けクライアント型SOAソリューション

一般的にECストアは複数のECモールに出店しており、信販会社・銀行・配送業者・商品メーカなどにそれぞれ提供しているWebサービスに対して手作業で業務処理をしているか、Webサービスごとにシステム連携を行うシステムを開発して業務処理を行っています。

 

収益性向上のポイント

手作業による業務処理では作業負荷が高くなり、個別のシステム連携を開発するのではコスト増となりますので、結果的にECストアの収益性を悪化させることになります。
このようなことから、ECストアの作業負担を軽減させるためには、低コストで能率の高いシステムを段階的に導入することが収益性向上の鍵になると考えられます。このように収益性を改善するためにクライアント型SOAを提案しています。

 

クライアント型SOAによるソリューション

従来のシステムの中は複雑なシステムが連携しており、システムで処理しているビジネスプロセスに一旦変化が生じると、連携して構築したシステムを時間とコストをかけて修正しなければなりませんでした。

そのような理由から、自立したビジネスプロセス(コンポーネント)同士の組み合わせでシステムを構築し、外部のサービスを新たに組み込んだり、不要なサービスを外したりといったことが求められていました。ですので、プロセス変更が容易かつ柔軟に行えるSOAによるシステム構築が適切なソリューションであると考えられます。

しかし前回で説明した通り、従来のSOAによるシステム構築はサーバ型SOAに左右されるために時間とコストが発生し、スモール・アンド・クイックスタートを実現することは困難です。

サーバ型SOAではなく、クライアント型SOAでシステム構築をする場合、クライアント側だけの開発になるため、システム構築にかかるコストと時間は圧倒的に少なくなります。これにより、スモール・アンド・クイックスタートを実現できると思います。
国内初のクライアント型SOAソリューションとして、大規模ECストア向けにリリースした"一括!コマース『速販盛(そくはんじょう)』"(以下、『速販盛』)はECストア向けの基本業務機能を盛り込んだ統合型業務一元管理ソリューションです。『速販盛』はすでに運営されているECストアの業務に適合できるように、ビジネスプロセスごとのカスタマイズを前提として開発されています。そのため既存の社内基幹システムや社外Webサービス、主要ECモールとの連携が「IdbA」をベースにしたテクノロジーにより、低価格かつ短期間で実現することが可能となります。
 

『速販盛』システムイメージ
図1:『速販盛』システムイメージ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

 

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