ソフトウェア産業に産業革命を起こすデータモデリング

2006年2月15日(水)
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)

SLCP全体をカバーするツール群


   本連載では、「ツールを活用したデータモデリング」という内容をお届けします。実際に使用するツールなのですが、自社商品で恐縮ですが「SI Object Browser ER」という製品を使って解説します。

   「SI Object Browser ER」は自社開発して2002年6月発売開始した製品です。「ERwin」や「ER/Studio」に比べると後発製品ですが、2005年3月のあるメディアでのデータベース設計の現状と課題調査報告では高い使用実績のあるデータモデリングツールとして、先行展開していた海外製品を抑えた形で支持してもらえました。モデリングツールの機能を紹介するため、少しだけこのツールのラインナップと背景を説明します。

   冒頭ではソフトウェア産業の"近代化"について書きましたが、筆者の会社もソフト業界で生き残るためにツールを積極的に活用しています。使えそうなツールは積極的に評価し、適切なツールがなければ自社で開発するといった具合に取り組んできました。そうした中、自社独自のツールとして図6にある「Object Browserシリーズ」を生み出しました。

ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)をカバーするObject Browserシリーズ
図6:ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)をカバーするObject Browserシリーズ

   すでにDB開発支援ツール「Object Browser」とDB設計支援ツール「Object Browser ER」を開発・リリースしています。現在は、Webアプリケーション開発支援ツール「Object Browser AP」、自動テストツール「Object Browser TEST」を開発中であり、2006年上期にリリースします。

   さらに、自社で体系化したプロジェクト管理手法「PYRAMID(注1)」をツール化した「Object Browser PM」をラインナップに追加します。これにより、今年度中にはソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)全体をカバーする予定になっています。

※注1: 「PYRAMID」については筆者が執筆した次の連載を参考にしてください。

即活用!業務システムの開発ドキュメント標準化
http://www.thinkit.co.jp/free/project/4/1/1.html

即活用!企業システムにおけるプロジェクト管理
http://www.thinkit.co.jp/free/project/1/1/1.html

   本連載で使用する「Object Browser ER」は、当社のWebサイト(注2)からトライアル版がダウンロードできます。30日間という使用期間はありますが、製品版とまったく同じ機能となっていますので、よろしければダウンロードしてハンズオンで一緒に勉強していきましょう。

※注2: Object Browser ER ダウンロードページ
http://www.sint.co.jp/siob/er/download.asp

著者
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)
株式会社システムインテグレータ

東芝、SCSKを経て1995年に株式会社システムインテグレータを設立し、現在、代表取締役社長。2006年東証マザーズ、2014年東証第一部、2019年東証スタンダード上場。

前職で日本最初のERP「ProActive」を作った後に独立し、日本初のECパッケージ「SI Web Shopping」や開発支援ツール「SI Object Browser」を開発。日本初のWebベースのERP「GRANDIT」をコンソーシアム方式で開発し、統合型プロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」など、独創的なアイデアの製品を次々とリリース。

主な著書に「Oracle8入門」シリーズや「SQL Server7.0徹底入門」、「実践SQL」などのRDBMS系、「グラス片手にデータベース設計入門」シリーズや「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」などの業務知識系、「実践!プロジェクト管理入門」シリーズ、「統合型プロジェクト管理のススメ」などのプロジェクト管理系、最近ではThink ITの連載をまとめた「これからのSIerの話をしよう」「エンジニアなら知っておきたいAIのキホン」「エンジニアなら知っておきたい システム設計とドキュメント」を刊行。

「日本のITの近代化」と「日本のITを世界に」の2つのテーマをライフワークに掲げている。

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