BIGLOBE、OpenFlow技術を活用してデータセンターの仮想化を実現
NECビッグローブ(以下、BIGLOBE)は4月22日、サーバーとネットワークをソフトウェアで一括制御するデータセンターの仮想化を実現し、本年4月より運用を開始したと発表した。これまでのサーバー仮想化に加え、ネットワークも仮想化することで、従来約2週間を要していたサーバーやネットワーク(インフラ)の構築期間を約10分へと大幅に短縮した。
BIGLOBEでは、ネットワーク構築の課題を解決するSDN(Software-Defined Networking)化と、データセンターの仮想化により、スピーディーで柔軟性の高いインフラ構築を実現した。
BIGLOBEデータセンター仮想化の概要は以下の通り。
SDNを実現するためのOpenFlow技術をベースに、NECが独自開発した「ProgrammableFlow」と共通の基盤を活用することで、BIGLOBEデータセンターのネットワークを仮想化。なお、SDNによる運用は2012年9月から開始。
仮想化したサーバーとネットワークを連携させ、一括制御するクラウドコントローラーをBIGLOBEが独自開発。これにより、データセンターの仮想化を実現し、本年4月から運用開始。従来、手動で行っていた“ネットワークリソースの確認”、 “機器1台1台へのIPアドレスやインタフェース番号の割り当て・設定”、“サーバーとネットワークの接続”をすべて自動化。サーバー台数、ネットワーク機器の種類など約10項目を入力するだけで、従来2週間かかっていたインフラ構築を約10分へと大幅に短縮。
仮想化したスイッチ間の接続にはトンネリングプロトコルであるVXLANを採用しているため、スイッチやルーターなど既存の物理ネットワーク装置の設定を変更することなく複数拠点を接続できる。例えば、企業内の基幹システムや、他社データセンター上にある既存システムと、BIGLOBEデータセンターに構築したサービスを接続することも可能。
クラウドコントローラーは、 “OpenFlowコントローラー”、“ネットワークサービスコントローラー”、“サーバコントローラー”など、制御する機能別にコントローラーをモジュール化(分割)。各コントローラーは個別に開発されており、機能ごとにバージョンアップできるため、新しい製品や規格、利用者のニーズの変化にいち早く対応できる。また、クラウドコントローラーはオープンソースを中心に開発しているため、ベンダーの端末に縛られることなく、様々な機器に対応できる。
BIGLOBEでは、OpenFlow技術のより高度な活用をすすめ、インフラ設計まで不要となる、さらに柔軟性の高いデータセンターの実現を目指す。サービスやアプリの提供スピード向上を実現するとともに、インフラ構築に必要な工数を削減することで、アプリやサービスの開発に専念できる環境を実現していくという。
http://www.biglobe.co.jp/
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