Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発 1

Eclipse3の概要とインストール

EclipseとはEclipseは、Eclipse Foundation(http://www.eclipse.org/)で開発されている、オープンソースのIDE(統合開発環境)です。優れた機能を持つIDEを無償で利用できることで、現在のJava IDE市場で、Eclipseは最も広く利用されてい

宮本 信二

2005年1月20日 20:00

Eclipseとは

Eclipseは、Eclipse Foundation(http://www.eclipse.org/)で開発されている、オープンソースのIDE(統合開発環境)です。優れた機能を持つIDEを無償で利用できることで、現在のJava IDE市場で、Eclipseは最も広く利用されています。Eclipseの特徴を理解する上でメリットおよびデメリットを列挙します。

Eclipseのメリット

Eclipseは非常に優れた基本機能を持っていながら、軽快な動作が可能です。また、プラグインにより容易に機能拡張ができるうえ、Java以外の開発環境としても使うことができます。
 

優れた基本機能

Eclipseは、Java開発に必要な、エディタ、コンパイラ、デバッガといったIDEの一通りの基本機能をそろえており、Javaアプリケーションの開発が可能です。さらに、Ant、CVS、JUnitなども標準装備されているので、Eclipseだけでソース管理やビルドを含んだJavaアプリケーションの開発を行うことができます。さらにコードアシスト、リファクタリングといった便利な機能も提供されており、これを一度使ってしまうと、もう単純なエディタには戻れなくなってしまいます。

プラグインによる拡張性

Eclipseの基本機能は使いやすく充実していますが、Eclipse本体だけ では、J2EE開発を行うような機能は提供されていません。しかし、Eclipseは「プラグイン」を組み込むことで容易に拡張することができます。なお、プラグインは自分で作成することも可能で、Eclipseはプラグイン開発環境も提供しています。

人気の高さ

プラグインの拡張機能が提供されているといっても、実際に必要なプラグインが提供 されていなければ、ユーザーは必要な要件が満たせません。しかし、Eclipseは非常に人気が高く、プラグインポータルサイト(注1)を見ると、星の数ほどのプラグインが提供されていることがわかります。こんな機能欲しいなと思うプラグインは、探せばたいてい見つかります。

※注1
Eclipse Plugins(http://marketplace.eclipse.org/)や、
Plugin Central(http://www.eclipseplugincentral.com/


 

 

オープンソース

EclipseのライセンスはCPL(Common Public License)(注2)で提供されています。Eclipse自体のソースコードは公開されており、ユーザーはEclipseを無償で利用できます。また Eclipseは、オープンソースという方法を通して様々な企業や開発者の巻き込みに成功しました。IBM、ボーランド、オラクルをはじめとする様々な企業が協賛しており、資金と人材が豊富です。また、Eric GammaやKent Beckなど著名な開発に参加しています。

※注2
CPL(http://www.opensource.org/licenses/cpl1.0.php
ただし、現在EPL(Eclipse Public License)に移行予定。


 

 

Eclipseのその他の特徴

EclipseはJavaのIDEという風に説明しましたが、本来Eclipse はJava言語専用のIDEではありません。Eclipseは元来、様々な言語、ツールの共通のプラットホームとして開発されました。実際、C、PHP、 COBOLなど様々な言語に対応しており、PHPの開発環境でも広く利用されています。

また、Eclipseは全般に「軽快な操作」を行うように設計されています。GUIライブラリにJava標準のSwingでなく、高速なSWTを選択したのもそうですし、プラグインを必要になるまで読み込まない遅延ロードや、長い処理に対するバックグラウンド処理など、よく考えられた設計になっています。

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