OpenVZとVirtuozzoの違い
OS仮想化ソリューションOpenVZとVirtuozzo
第2回目となる今回は、SWsoftのOS仮想化ソリューションである「Virtuozzo(バーチュオッゾ)」とそのベースであるオープンソースの仮想化ソフトウェアである「OpenVZ」について説明します。
OpenVZとは?
Linux上に構築されたOSレベルのサーバ仮想化技術である「OpenVZ」は、2005年8月に独立したオープンソースのプロジェクトとして登場後、2005年12月に安定バージョンを公開しました。
OpenVZプロジェクトではコミュニティのコラボレーションにより仮想化技術を広く公開し、OSレベルの仮想化技術のサポートと推進を行っています。OpenVZのオープンソースソフトウェアはLinux版Virtuozzoのベースとして使用されています。
OpenVZでは、Red Hat Enterprise Linux 5にいちはやく対応するなど、活発なコミュニティ活動が行われています。現在メインストリームのLinuxカーネル(2.6.16および2.6.18)に 対応し、SUSE Linux Enterprise Server 10およびopenSUSE 10.1にも対応しました。
昨年5月には、Mandrivaが最初のディストリビューションとしてMandriva Corporate Server 4.0のカーネルに直接OpenVZを組み込み、OS仮想化技術を搭載しています。現在OpenVZは、Linuxディストリビューションの一部として DebianやGentoo Linux、ALT Linux Sisyphusに搭載されています。
対応するプロセッサも拡大しており、x86、x86_64、IA64、Power 64-bit、UltraSPARC T1 CoolThreadsなどのプロセッサを採用したサーバに対応しています。
またOpenVZは、他のオープンソースのOS仮想化ソフトが提供していない機能として、後ほど解説するVirtuozzoと同様に、ライブマイグ レーション機能を提供しています。これによりシステム管理者は、エンドユーザへのサービスを中断することなく、高額なストレージを必要とせずに物理サーバ 間で仮想サーバの移行を行うことが可能です。
Virtuozzoとは
Virtuozzoは1999年からSWsoftによって開発が進められ、2001年より販売されているOS仮想化ソリューションです。インター ネットサービスプロバイダやデータセンターなど、大規模な実環境において6年以上にわたる成熟した技術としての運用実績があります。
ワールドワイドでは1,000社以上の顧客において、50万以上ものVirtual Environment(以下、仮想環境)が稼動しています。また、国内においても主要なサービスプロバイダの多くがVirtuozzoを利用したサービ スを展開しており、エンタープライズ市場においても導入が加速しています。
Virtuozzoはハードウェアへのアクセスを仮想化する仮想マシンベースのアプローチとは異なり、OSへのアクセスを仮想化します。これにより、1つのOSインスタンス上に仮想環境とよばれる仮想サーバの複数構築を可能としています。
それぞれの仮想環境は完全に隔離されており、セキュアで完全なサーバ機能を備えています。Windows版とLinux版のプラットフォームに対応しており、x86やIA64、AMD64、EM64T、Itaniumをサポートしています。