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DC全体からみた効率的なサーバー環境とは

2010年7月2日(金)
立石 琢磨

Rackableの "S"

従来のラックマウント/ブレードサーバーはある程度の高密度化を実現しました。しかし、そのフォームファクタによって自ら"S"の効率化に制限を課し、またラック列、空調設計についてはホット/コールドアイルという必須要件をデータセンターに持ち込みました。

これに対してRackableシリーズではシンプルに発想し、よりコンパクトなマザーボードと筐体(きょうたい)を採用することでラックあたりのサーバー密度をさらに向上させようとしました。

(1)Foundation Rack
従来のラックマウントサーバー(full depth)に比べて奥行きが約半分のhalf depthサーバーを開発、採用することにより、2倍の高密度(40Uラックあたり80サーバー)を実現。ラックは両前面となり、各種I/Oポートには前面からアクセスします。
両前面の片脇にはネットワークケーブルを束ねるスペースが設けられており、ケーブルパニックやエアフロー阻害の心配もありません。また三相交流、単相交流、直流受電に対応し、受電・配電の仕組みはラック内に組み込まれているため、電源ケーブル取り回しの煩雑さもありません。
ネットワークケーブル、スイッチ、電源ケーブルはあらかじめラックに組み込まれて出荷されますので、増設時にはネットワークケーブルをポートに挿すだけで使い始めることができ、増設・リプレース時の作業工数を抑えることができます。
half depthサーバー自体は従来と同様に前面吸気、背面排気ですが、これを1台のラックに両前面として搭載することで、ラックは両面吸気、中央上部排気となります。ラックには中央上部排気をスムーズにするためのシンプルなアイデアも取り入れられています。この排熱仕様により、従来のようにホット/コールドアイルにラック列を分離する必要がなくなり、サーバールーム全体の空調設計をシンプルにします。また熱対流の観点からも、中央上部排気は理にかなった方法と言えます。
(2)Cloud Rack
名前の通り、大量のサーバー台数が必要となるクラウド世代のWebエッジ層にターゲットを絞った製品です。
サーバー筐体という発想を捨て、1Uのトレイ(お盆)にマザーボードやHDDをすき間無く並べることにより、サーバーの高密度化、軽量化を目指します。構成にもよりますが、最大で1Uトレイあたり6サーバーを搭載し、40Uラックで200サーバー弱を稼働させることができます。
エアフローは一般的な前面吸気、背面排気で、トレイ上からファンを廃し、ラック背面に集約することで冷却の効率化を実現しています。
電源は三相交流、単相交流に対応しており、特に三相交流を一括受電することにより、相間バランスの不均衡をなくし、電源設備としての電力ロスを抑えることも想定して設計されています。

図3:Rackableシリーズの製品群

サーバーコンポーネントからのアプローチ

残りの"W(Watt)"と"P(Performance)"については、主にサーバーの構成要素であるコンポーネントから効率化へのアプローチがなされてきました。その結果CPUではマルチコア化が、メモリ/HDDでは大容量化が進む一方で、コンポーネントあたりの消費電力"W(Watt)"は大きく増えていません。「はやぶさ」が帰って来て見ると、消費電力(W)あたりの"P(Performance)が改善され、サーバーとストレージはますます働き者になっていたのです。

Rackableの "W" と "P"

Rackableシリーズもx86サーバーである以上、他社と同じコンポーネントを使用しており、消費電力の点で差別化を計ることは困難です。

Rackableシリーズでは、BTO(Build-to-Order)という製造方式を採用しています。カタログの中から決まった構成を選ばせるのでは、ユーザーの使用用途、環境に必ずしも合致しません。“Nothing more, Nothing less”というコンセプトのもと、低消費電力、もしくはパフォーマンスを改善できるようなコンポーネントを使用し、おのおののユーザーにとって最適なサーバー構成を探します。また、その努力はサーバーのみならずラック単位でも行われており、RackableオリジナルのAC電源や、直流電源、ラック単位で一括AC/DC変換を行うなど、システムとしての電源効率にも早くから着目し、"W"と"P"の改善に取り組んでいます。

伊藤忠テクノソリューションズ

データセンタ事業グループ DC戦略推進部 DCソリューション推進第2課 所属。2003年 CTC入社。剣道とさだまさしをこよなく愛するサーバ寄りのシステムエンジニア。これまでSun、Egenera、Rackable製品を担当。「宇宙の始まりとは?」をテーマに某室長から質問攻めにあっている。

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