ゲームプラットフォームとしてのiOS

2011年1月21日(金)
北村 真二

iOS向きのゲームとは?

iPhoneのタッチスクリーンの特徴からどちらかと言えば激しいキー入力を要求するようなアクションゲームは比較的不向きだと思われます、逆にじっくりと考えるタイプのボードゲーム、シミュレーションゲームやアドベンチャーゲームは比較的向いているのではないでしょうか。また空いた時間にサクッと遊べる手軽さも重要です。

さらにiOSは先に説明したDSやPSPからの移植にも向いていて、実際大手ゲームメーカーの有名ゲームが多数移植されています。例えばDS専用のゲームタイトルの場合タッチインターフェースに特化したゲームが多く、それをPSPに移植するには仕様を大幅に変更する必要がありますが、iPhoneならそのUIをほぼそのまま利用した仕様で移植が可能です。逆にPSPからDSへの移植の場合、解像度やグラフィックのクオリティーなどが合わないという問題点がありますがその点もiPhoneならばクリアできます。

iOSプラットフォームのヒットゲーム

すでにApp Storeがオープンしてから2年以上が経過し、iPhoneオリジナルのゲームから他で人気を博したゲームの移植など、さまざまなヒットゲームが登場しています。そんな中からいくつかをご紹介しましょう。

図2:App Storeゲームカテゴリーのスクリーンショット(クリックで拡大)
ストリートファイターIV(アクション)
格闘ゲームの一時代を築いた名作ゲームの移植版です。グラフィック、サウンド、操作感など数あるiPhoneゲームの中でも随一の完成度を誇っています。「ストリートファイターIV」は激しいアクションゲームですが入力操作が簡易化されており快適にプレイしてもらうためにかなりの調整がされているものと思われます。ですのでアーケードで慣らした方は少し物足りなく感じるかもしれません。
ゴーストトリック(アドベンチャー)
2010年の夏にニンテンドーDSソフトとして発売された謎解きアドベンチャーゲームです。もともとがDSのタッチインターフェースを活かした内容だけに、iPhoneにはもってこいのゲームと言えます。アプリ自体は無料で「アプリ内課金」で追加のシナリオを売るというスタイルです。課金額は1500円とiPhoneアプリとしては高い部類に入りますが、DS版の中古販売価格が約3000円前後と考えれば破格の安さと言えます(2011年1月現在)。
ファイナル・ファンタジーI/II(RPG)
日本が誇る2大RPGゲームの1つです。こちらはいくつかの追加要素はあるものの内容的にはPSP版からほぼそのままの移植です。このようなビッグタイトルがiPhoneプラットフォームでプレイできるということは作る側、遊ぶ側の両者からiPhoneプラットフォームへの期待という大きな意味があります。
つみネコ(キッズ)
大手のゲームが続きましたが「つみネコ」はベンチャー製作のiPhoneオリジナルゲームで常にゲームカテゴリーの上位にいる定番アプリとなっています。ただひたすらネコを高く積んでいくというシンプルなゲーム性とネコのキャラクターのかわいさが相まって人気のアプリとなっています。
柿木将棋(ボード)
パソコンの初期からある将棋ソフトの定番です。今でこそiPhoneの将棋ゲームと言えばいくつものアプリが公開されていますが、この柿木将棋はその中でも最初にリリースされた将棋アプリです。
Ragdoll Blaster 2(パズル)
「ぬいぐるみ人形」を大砲から撃ち出し各ステージの仕掛けを利用して的に当てるというパズルゲームです。シンプルな操作性とよく考えられたギミック、グラフィックなどの世界観が絶妙でiPhoneのタッチインターフェースを大いに活用したゲームになっています。
STUDIO SHIN

家庭用ゲームの企画開発、Mac OS / iOSアプリの開発を主な生業とする。
20年ほど前から家庭用ゲーム開発に携わりファミコンからDS、PSP、Wiiまで幅広く開発。15年前からMac OS Xアプリケーションを開発「DotShotX」「GIFQuickMaker」などを公開。iPhoneアプリ「将棋盤」「DotTouch」「Rabbit Maze」などを開発。開発アプリはアップルのApp Storeで公開中。

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