ハイブリッド・クラウドに向けたネットワーク技術の将来
2011年2月28日(月)
2012年に向けたネットワーク技術の方向性
今回の連載で触れてきた通り、ここからの1年で、以前よりもサーバー仮想化と強く連携したネットワークが実現する。具体的には、SR-IOV技術やEVB技術の標準化と製品化が進む。もちろん、SR-IOVの場合は、ベンダー固有のドライバ実装を仮想マシンから直接使うことによる互換性の低下といった問題点もクローズ・アップされるだろう。
ハイブリッド・クラウドに向けて、データセンター間を結合する技術の本格的な実装が進むことも間違いない。広域間でのファブリック接続と安定性の確保は、ベンダー固有技術として実装されるだろう。なぜなら、広域接続において、L2プロトコルとしてこれらの仕組みを実装するのは、事実上困難だからである。ファブリックを広域接続できるようになると、プライベート・クラウド間を接続して、さらに大きなクラウドを構成することが可能になる。
これらに加えて、2012年以降には、ファイア・ウォールやロード・バランサなどのネットワーク機能と各種機能を密結合させるOpenFlowやBrocade Dynamic Service Insertionのような技術が、本格的に製品展開されていくだろう。日本では、クラウドも資産として計上することになるかもしれない。
今回の連載では、ネットワーク技術を中心に、データセンター・ネットワークの変化の方向性を解説した。現時点で世の中に存在しない技術についても解説したため、定量的な評価が無いものもあったが、詳細な内容や標準化動向などについて随時アップデートが欲しいという方がいらっしゃるようであれば、気軽にブロケードコミュニケーションズシステムズを訪ねていただきたい。
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