組み込みも、はじめの一歩はHello world

2011年6月6日(月)
吉田 彩花舟元 拓斗

社会人になって2週間。やっと社会人生活にも慣れてきたころ、配属が発表された、その日。。。

  1. [偉い人]吉田さん。舟元くん。ちょっとよいかな。
  2. [吉田]!!(この方は。。。配属先のエラい人だ!!)
  3. [舟元]!!(なんだ?なんだ?)
  4. [偉い人]お疲れさま。研修は大変?
  5. [吉田]はい。覚えることがたくさんあって大変ですけど、新しい発見ばかりで楽しいです。
  6. [偉い人]それは良かった。さっき配属を聞いたと思うけど、実際にどんなことやるかっていうのは分からないよね。
  7. [吉田]はい。プログラムを書くんですよね。
  8. [偉い人]確かにプログラムを書くんだけど、組み込みソフトウェアと呼ばれるものを作る仕事をやってもらうことになるんだ。
  9. [吉田]クミコミ。。。ソフトウェア。。。??
  10. [偉い人]そうそう。家電とか自動車とかの中で動いているソフトウェアのことね。
  11. [吉田]へー。そんなところにもソフトウェアが入っているんですね。
  12. [偉い人]そこで、吉田さんと舟元くんには、「ETロボコン」っていう大会に参加してもらって、実際の組み込み開発がどんなものか学んでもらおうと思ってね。
  13. [舟元]はい。ETロボコンなら学生のときに2回参加しました。えっと、成績は、、、、聞かないでください。
  14. [吉田]え?何?ET・・ロボコン?しかも舟元くん参加したことあるって!?私まだJava勉強し始めたばかりだし、大会の参加なんて。それにロボットとか良く分からないし・・。私でもできるんですか?
  15. [偉い人]大丈夫大丈夫、舟元くんも居るし、二人仲良く頑張ってみてよ。先輩たちも助けてくれるから。あ、それと。
  16. [吉田]はい?
  17. [偉い人]今回の活動はレポートとして記事を書いてもらうから、そのつもりでいてね。
  18. [吉田]ええ~!?記事?記事ですか?私が文章書くんですか!? ・・・。ああぁ、大変なことを任されてしまった。。

というわけで、新人2人、ロボコンに参加することになりました。そして、私たちの奮闘はこの連載のなかでお伝えしていくことに。ほんとプログラミングの経験もなく分からないことだらけで先が見えませんが、よろしくお願いします。

改めまして、新人です。

  1. [吉田]プログラミングは初心者で、もちろんETロボコンも始めてです。自分でプログラミングしたロボットが動くなんて、今からわくわくしています。これからいろいろと教わって、いいロボットを作りたいです。
  2. [舟元]舟元拓斗です。学生の時にETロボコンに出会い、大学チームで過去2回大会に参加してきました。今年からは社会人としてETロボコンに関わっていくので、チーム開発などを意識して、仕事で求められる開発方法を身につけていきたいと思っています。

ETロボコンって何だ?

  1. [吉田]わたし、ネジくらいなら回せるかもしれませんが、ロボットとか作れませんよ。
  2. [舟元]ロボットを作るとなるとボクも自信が無いのだけど、今回参加するETロボコンは、ロボットが作れなくても大丈夫なんだよ。
  3. [吉田]えっ。たまにテレビでやってるの見ますよ。みんなで作ったロボットで玉入れとかしてるやつ。あれとは違うのですか?
  4. [舟元]あれは、ロボットから自分達で作って参加しているんだけど、ETロボコンはソフトウェアがメインのロボコンで、ロボットもレゴで組み立てるんだよ。

ETロボコンは、全参加者がレゴで組み立てることができる共通のロボットを使用し、そのロボットを制御するソフトウェアを参加者が作り競います。ETロボコンで、使用するロボット(ハードウェア)は走行体と呼ばれ、レゴのキット( 教育用レゴ マインドストーム NXT )を利用して組み立てることができます。

図1:ETロボコン2011で使用する走行体の外観
  1. [吉田]おぉ。カワユイ。レゴなら私にも組み立てられますね。で、この走行体を使ってどんなことをするのですか?
  2. [舟元]ETロボコンでは、実際に走行体を動かして競う競技部門と、競技で使うソフトウェアの設計を競うモデル部門という二部門で競い合うんだよ。それぞれのルールや評価ポイントが、競技規約とモデル審査基準として提供されているから見ておこうか。
  3. [吉田]なるほどぉ。走行体で、このコースを走らせるのかぁ。。。これシーソーとか階段とか走れるんですか?倒れないんですか?

図2:ETロボコン2011競技コース(提供:ETロボコン実行委員会)
  1. [舟元]一旦止まったり、ゆっくり走ったり、逆にスピード上げて走り抜けたり、いろいろやり方はありそうだし、また試してみようよ。
  2. [吉田]あ、そうか。走りかたとかを工夫していくのかぁ。ふむふむ。で、こっちの設計とかモデルとかっていうのは何なんですか?
  3. [舟元]んーとね。家を建てるときなんかは設計図が必要だよね。ソフトウェアを作るときも、この部分で何を処理して、こっちでは何を処理して、なんてことを事前に考えてからプログラミングするんだよ。で、ETロボコンでは、この考えたことを図にまとめて提出して審査してもらうんだ。
  4. [吉田]設計して、設計図を書いえ、プロラミングして、動かすんですね。大変そう。。。
  5. [舟元]ETロボコンで作るソフトウェアは小さいけど、実際の仕事だと、どのくらいになるんだろうね。もっと大変なのかなぁ。

このようにETロボコンでは、ハードウェアをレゴで組み立てられる共通なものとすることで、ソフトウェアに特化したロボコンとなっています。また単にプログラミングすれば良いだけでなく、その設計も審査されます。これからソフトウェア開発従事者となっていく新人にとっては、開発に必要な様々なフェーズを経験してもらうことができます。

株式会社 永和システムマネジメント

永和システムマネジメントに2011年入社。文系出身で右も左もプログラミングも分からない中、ETロボコンへの参加を命じられ四苦八苦中。

株式会社 永和システムマネジメント

永和システムマネジメントに2011年入社。学生時代に二度ETロボコンに参戦。配属されてから役に立ちそうな技術・知識を盗むべく奮闘中。

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