特別編 全国から強者が終結!ETロボコンチャンピオンシップ大会

2010年12月16日(木)
Think IT編集部

全40チームが優勝を賭けて競い合う

連載記事の中で紹介した「ET(Embedded Technology)ロボコン」の決勝となるチャンピオンシップ大会が、去る2010年12月1日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて行われた。

今回のチャンピオンシップ大会は、北海道から沖縄まで、全国の地区大会を勝ち抜いて選ばれた合計40のチームが出場を果たした。出場チームは個人から企業までさまざま。大学の研究室からも参加が見られた。

大会のロボット(走行体)は、教育用レゴ マインドストームNXTを使用。左右の車輪で自立し、本体下部から照射する赤外線でコース上の黒線を読み取って走行する。組み込みソフトを競う大会なので、ロボット本体はレギュレーションによって指定通りに組み上げることが条件となる。外見上はステッカーなどの一部を除きほとんど個体差がないが、最大の違いはそれぞれのチームが設計したロボットの制御ソフトウエアだ。

決勝用のコースは1周約20メートルで、インコースとアウトコースそれぞれを同時に2チームが2回ずつ走行し、その合計タイムを競う。1回目はゼッケン奇数がインコース、偶数がアウトコースを走り、2回目は反対のコースを走行する。

インコースとアウトコースのどちらにも、それぞれ課題となる難所が存在する。難所クリアで得られるボーナスタイムも大きなポイントとなるので、どちらを走っても問題ないよう、設計者には高度な技術が求められる。

出場者泣かせの最高難度コース

コースには完走を阻むいくつもの難所が存在する。各難所については以下の通り。

シーソー
文字通りシーソー型の難所。無事に通過することで30秒、シーソー上で1秒停止することで80秒のボーナスタイムが得られる。ちなみにシーソー上の停止は本大会史上でも最高難度となっている。アウトコースに設置。
階段
2つの段差がある階段を無事に通過すると40秒のボーナスタイムが得られる。シーソー同様、バランスを崩すことなく上り、下りられるかがポイントとなる。アウトコースに設置。
ミステリーサークル
NXT走行体の超音波センサーを使ってペットボトルの配置を読み取り、配置パターン通りにサークルをうまく通過できると60秒のボーナスタイムが得られる。サークルへの進入方向も決まっており、逆送は無効となる。難度はシーソー上停止に次いで高い。インコースに設置。
坂道
上り角度10度、下り角度5度の坂道がゴール前に待ち構える。簡単そうに見えるがここでコースアウトするチームも多かった。インコース、アウトコース両方に設置されており、ボーナスタイムはない。
ガレージ
ゴールゲートを通過後、設けられたガレージ内に走行体がおさまると、20秒のタイムボーナスを得られる。ガレージにロボットが入りきらない場合や、ガレージの一部にロボットが触れた場合は無効となる。

コースの各所に設けられた上記の難所を各チームは鮮やかにクリアして見せたが、チャンピオンシップ大会だけあってよほど難易度が高いためか、惜しくも転倒してしまうチームもまた多く見られた。


チームによってコースの攻略にもさまざまなパターンがあり、意外な展開が起こるたびに会場からは大きな歓声がわきあがった。作戦かと思えばコースアウト・トラブルだったり、またぎりぎりの攻めを見せたチームが惜しくも転倒してしまったり。出場者たちの努力の結果によって、多くのドラマを見ることができた。

大会史上、最高難度となるシーソー上停止も「こっぺぱん♪」「SAGA組込ソフト研究会」の2チームがクリアするなど、主催者側の想像を超える展開に、レースは大きな盛り上がりを見せた。

会場にはETロボコンのTwitter(#etrobo)を表示した大きなプロジェクターも設置され、観客のツイートが次々に更新されていった。こういった工夫も今ならではの要素だ。

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