連載 :
新しくなったWindows Azureオープンで柔軟性があるクラウドサービスに進化したWindows Azure
2012年7月13日(金)
データ管理
- [田口] 次は「データ管理」、データを永続化する機能だね。それぞれ用途に応じて使い分けよう。
機能 | 特徴 |
---|---|
SQLデータベース | SQL Serverの技術をベースにしたクラウド上のリレーショナル データベースサービス。物理的な管理なしに、安全で信頼性の高いデータベースを簡単に運用できます。 |
テーブル ストレージ | Key-Valueストア型のNoSQLデータベース。REST および管理 API 経由でアクセスできます。 |
BLOB ストレージ | 動画、画像、音声、文書ファイルなどを格納するためのストレージ。REST および管理 API 経由でアクセスできます。 |
- [小木] SQL データベースは機能が豊富で、SQL Server のスキルが役立ちそう。テーブルは、価格も安いし大量で単純なデータ管理に良さそうですね。SQLデータベース、テーブル ストレージやBLOB ストレージの最大サイズって、どのくらいですか?
- [田口] SQL データベースは、1つのDBでは最大 150 GB。それ以上のサイズが必要な場合は、SQL フェデレーションを使って複数のデータベースに分散する必要があるよ。ストレージについては、1ストレージアカウントあたり最大100TB。100TBを超える場合は、複数アカウントを使う仕組みが必要だね。
- [小木] なるほど~。そうそう、WebサイトでWordPressのサイトを作成するときに、MySQLの作成を選択できたのですが、Azureの新機能ですかね?
図2:Webサイト - MySQLの作成 |
- [田口] MySQLは、ClearDB が Windows Azure のサービスとして提供している機能だね。無料で20MBのデータベースが1つ使えるよ。
→ ClearDB Pricing For Windows Azure(英語) - [小木] あとストレージには、非同期のメッセージ交換で使うキューもありますね。キューはストレージだけではなく、サービスバスとしての機能もあるので、用途によって使い分けが必要ですね。
ネットワーク
- [田口] 次は「ネットワーク機能」について説明しよう。オンプレミスや他のデータセンターと接続する場合は、仮想ネットワークとConnectが使えるね。
機能 | 特徴 |
---|---|
仮想ネットワーク | Windows Azure 内に論理的に隔離されたプライベート環境を作成し、IPSec VPN トンネルを使ってその環境を企業ネットワークや他のデータセンターに接続することができます。 |
Windows Azure Connect | 専用のソフトウェアを使用して、Windows Azure クラウドサービスのインスタンスとオンプレミスのPC間をIPSecベースのVPN接続をHTTPSで行う機能です。 |
- [小木] 仮想マシンとか仮想ネットワークとか組み合わせると、ハイブリッドという言葉がいらないくらいシームレス!って感じですね。
- [田口] (どや顔で言ってるけど、これ絶対どこかのイベントで聞いたんだろうな・・。)
その他
- [田口] 最後に、その他のよく使いそうな機能を簡単に紹介するね。
[キャッシュ]
キャッシュは少しわかりにくいかもしれないけど、Windows Azure 内においてマルチテナント間で共有される「Windows Azure 共有キャッシュ」と、Web ロールまたはワーカー ロールのメモリ内でホストする「メモリ内キャッシュ」があるんだ。
最近、追加されたメモリ内キャッシュは、キャッシュプロバイダーを使ってコーディングなしで使うこともできるし、memcached プロトコルと互換性のあるAPIを使うこともできるから、PHPからも簡単に使えるよ。
[CDN]
ユーザーに近い場所にコンテンツをキャッシュすることで、高速にデータを配信することができるよ。CDNのエッジサーバーは、日本(東京)にもあるね。
[トラフィックマネージャー]
DNSによる名前解決の仕組みを使って、複数のデータセンター間でロードバランシングを行うんだ。全世界規模でのトラフィック分散やディザスタリカバリとして利用できるよ。
- [小木] その他にも、Hadoopやメディア サービスなど、本当にたくさんの機能がありますね~!
開発環境の準備
- [小木] ところで、Windows Azure って、さまざまな言語で開発を行えると思うのですが、どこから情報を得ればいいのやら・・・。どこかにまとまった情報ってありますか?
- [田口]NET、Node.js、Java、PHP、PythonについてはWindows Azureの開発ページ(Windows Azure Development)に開発言語ごとのリンクがあるから、アプリケーションの作成に必要な SDK、ツール、ドキュメントのダウンロードができるよ。
→ Windows Azure Development(英語) - [田口] あと、Mac や Linuxのコマンドライン ツールも提供されているので、MacやLinuxからアプリケーションの配置や管理を簡単に行えるようになっているね。
→ Windows Azure SDK for Linux/Mac ダウンロードページ - [小木] MacやLinuxでも簡単に使えるとは!そういえば、以前の管理ポータルはSilverlightベースだったけど、新しい管理ポータルはHTML5ベースになったので、OSやデバイスの依存は減りましたよね。
図3:新しい管理ポータル |
- [田口] あと、スマートフォン(iOS、Android、Windows Phone)やMetroスタイル・アプリを開発するなら、簡単に Windows Azure の機能を使うツールキットもあるね。
→ Windows Azure Toolkit for Android
→ Windows Azure Toolkit for iOS
→ Windows Azure Toolkit for Windows Phone
→ Windows Azure Toolkit for Windows 8 - [小木] Windows Azure Toolkitってたくさんあるんですね。あっ!ソーシャルゲーム(Windows Azure Toolkit for Social Games)とかもある!
→ Windows Azure Toolkit for Social Games - [田口] さて、開発環境の準備が終わって、実際にWindows Azure を使用するには、Windows Azure サブスクリプションの申し込みが必要だね。申し込みの Step by Stepが公開されているので、参考にしてみて。
- [小木] プレビュー機能の申し込み方法まで紹介しているから、Webサイトや仮想マシンなどのプレビュー機能も試せるようになりますね♪
→ Windows Azure サブスクリプション申し込み Step by Step
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