陸上自衛隊の富士総合火力演習と、ネットワーク連携する最新式の「10式戦車」を見る

2012年9月6日(木)
Think IT編集部

これは訓練ではない(リハである)

去る8月21日、Think IT編集部一行(約2名)は、御殿場駅から車を20分ほど走らせた富士山の麓に立っていた。

早朝、人影もまばらな入り口をくぐり、高くそびえ立つスタンド席の裏側まで来ると、既に結構な人数が並んでいたので、我々もその列に加わることにした。

山の麓は日差しが強い。暑さに耐えながら開場を待っていると、突然、激しい轟音が響き、一瞬後に空気の振動が身体全体を震わせた。小さく声を出して驚きながら、恐る恐る奥の方をのぞくと、遠くの方に、テレビや映画でしか見たことのない、本物の「戦車」が停止していた。

快晴の富士山

ここは陸上自衛隊の東富士演習場。そして、今進行しているのは「平成24年度 富士総合火力演習予行」のリハーサルだった。参加するのは人員約2400名、戦車・装甲車約80両、各種火砲約80門、航空機約30機という、陸自、空自(一部)合わせての大部隊である。

あまりの大音量に、来たことをほんの少し後悔していた。

「そうかえん」って何?

この時をさかのぼること10日ほど前、お盆前の進行で忙しいさなか、社内に一通のメールが届いた。そこには、「富士総合火力演習」という、聞いたことのあるような、ないような漢字が並んでいた。はて、なんだっけ・・これ。

(この間1秒)すぐに内容を把握すると、慌てて受話器を取り2名分のチケットを確保してもらった。電話口の向こうで「(返事)早っ」という若干呆れたような声が聞こえたが、このチケットを手に入れるための倍率はネット、はがきともに約15倍。こんなチャンスはそうそうない。

すぐにチケットを受け取りに行き、手配してくれた総務の女性社員の話も早々に切り上げ、フロアを後にした。これで10日後は陸上自衛隊最大の演習会場だ。この「富士総合火力演習」のことを、略して「そうかえん(総火演)」と呼ぶ。

その日はちょうど日本仮想化技術の宮原氏に会う約束をしていたため、この話をしたところ「ぜひ行きたい」との事だったので、ありがたいことに写真と動画の撮影を担当してもらえる事になった。

いざ、富士の麓へ

総火演の会場となる御殿場へは高速バスで前日入りしたため、翌日も早朝から移動して早々と現地に到着することができた。

そして会場を待つ間に、冒頭で紹介した戦車砲の爆音に見舞われたのだ。

高速バス(電源コンセント付き)で前日のうちに現地近くまで移動

「子どもとか連れてきたらマズイですよね」などと言ってはみたものの、一番ビビっていたのは自分かもしれない。砲撃の数も多かったため、これ以上音が大きくなったらどうしようかと思った(実際にはこれより大きな音は出なかった)。

現地にはおむつ替えエリアも用意されていたが、戦車砲の発射音が大きすぎるため、幼児以下の子どもを連れてくることはあまりおすすめしない。

しばらくリハーサルが続いた後、いったんすべての車両・航空機が後退し、土木車両が整地を始めた。いよいよ本番だ。

富士総合火力演習のプログラム

富士総合火力演習予行「前段」

午前10時、アナウンスとともに本番が始まった。ちなみに演習は「前段」と「後段」の2部で構成されている。ここからは写真を主に紹介していく。

 (左上から順に)戦闘ヘリAH-64D(アパッチ・ロングボウ)/96式多目的誘導弾/攻撃後、輸送ヘリCH-47J(チヌーク)で現場を離脱する隊員たち
 
 (左上から順に)軽対戦車誘導弾を発車する軽装甲機動車(LAV)/対戦車ヘリAH-1S(コブラ)/87式自走高射機関砲/10式戦車/パラシュートを開いて降下する空挺隊員

前段のクライマックスは、上空1800メートルから自由落下したのち、パラシュートを開いて華麗に着地する空挺部隊がその大役を務めた。

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