APIを使って土地の公示価格を調べるプログラムを作る

2013年6月12日(水)
薬師寺 国安

「構成マネージャ」の設定

この状態では、まだBing Maps SDKが使用できませんので、使用できるようにします。
まず、VS2012のメニューから「ビルド(B)/構成マネージャ(O)」と選択します。
「プラットフォーム」がAny CPUになっていますので、プルダウンメニューから、該当するプラットフォームを選択します。筆者の環境では×86を選択する必要がありました(図8)。
[閉じる]ボタンをクリックすると、ソリューションエクスプローラー内の「参照設定」にあった「Bing Maps for C#, C++, or Visual Basic (Beta)」と「Microsoft Visual C++ Runtime Package」の先頭の黄色いアイコンが消えています。
これでBing Maps SDKの使用が可能になりました。

図8:「構成マネージャ」からプラットフォームを設定する(クリックで拡大)

コントロールの配置

表示されるデザイン画面の要素に名前空間を追加します。
xmlns:bm=”Using:と入力すると値の一覧が表示されますので、Bing.Mapsを選択します(図9)。bm:Mapコントロールを配置します。Bing.Mapsの地図が表示されるはずです、もし地図が表示されない場合は、一度VS2012を再起動してください。

タイトルを表示するTextBlockコントロールを1個配置し、次にStackPanelコントロールを配置します。
OrientationプロパティにHorizontalを指定し、その子要素として項目名を表示するTextBlockコントロールと、入力ボックスであるTextBoxコントロールを配置し、Textプロパティに「愛媛県松山市」と指定しています。
Buttonコントロールを配置します。

書き出されるXAMLコードをリスト1のように編集します。レイアウトは図10になります。

図9:xmlns:bm=”Using:と入力してBing.Mapsの値が表示されている(クリックで拡大)

リスト1 書き出され編集されたXAMLコード(MainPage.xaml)

  • (1)bmという名前空間を定義しています。
  • (2)要素を配置し、CredentialsプロパティにBing Maps Account Centerで取得したBing Maps Keyを指定します。Bing Maps Keyの取得方法は後述しています。名前はmyMapとしています。
  • (3)タイトルを表示するための要素を配置しています。
  • (4)要素を配置しオブジェクトのスタック方向を水平方向とするため、OrientationプロパティにHorizontalを指定します。
    子要素として項目名となる要素、名前がsearchTextBoxという入力ボックスになる要素を配置しています。Textプロパティにはデフォルトで「愛媛県松山市」と入力しています。
    名前がokButtonという
<Page
  x:Class="NoticeOfLandPrices.MainPage"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  xmlns:local="using:NoticeOfLandPrices"
  xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
  xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
  xmlns:bm="using:Bing.Maps"■(1)
  mc:Ignorable="d">
  <Grid Background="{StaticResourceApplicationPageBackgroundThemeBrush}">
    <Grid>
      <bm:Map Credentials="Bing Maps Account Centerで取得したBing Maps Key" x:Name="myMap" />■(2)
        <TextBlock Text="地価公示価格検索" Foreground="Crimson" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="48" FontWeight="Bold" Height="60" Width="412" Margin="492,838,587,-130"/>■(3)
        <StackPanel Orientation="Horizontal" Height="80" Margin="92,1,132,687" >■(4)
        <TextBlock Text="検索住所"  Foreground="Blue" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="36" FontWeight="Bold" VerticalAlignment="Center"/>■(4)
        <TextBoxx:Name="searchTextBox"  BorderBrush="Blue" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="36" Height="60" Width="700" Margin="0,9,0,11" Text="愛媛県松山市" />■(4)
        <Button x:Name="OkButton" Content="OK" Width="100" Height="80" Background="Black" BorderBrush="Navy" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="36" Foreground="Gold"/>■(4)
      </StackPanel>■(4)
    </Grid>
  </Grid>
</Page>
図10:各コントロールを配置した。拡大縮小ボタンと、地図の表示モード選択ボックスは、実行時に自動的に表示されます(クリックで拡大)

Bing Maps Keyの取得方法

Bing Mapsを使用するには下記URLのBing Maps Account Centerに行って、専用のライセンスキーを取得する必要があります。
→ Bing Maps Account Center

Windows Live IDを持っている方はSign Inを、IDを持っていない方はCreateからWindows Live IDを作成してSign Inしてください。筆者はSign Inから入ります(図11)。

図11:Bing Maps Account Center でSign Inする(クリックで拡大)

表示される画面の左にあるCreate or view keysをクリックします(図12)。

図11:Bing Maps Account Center でSign Inする(クリックで拡大)

Create keyの画面が表示されますので、必要な項目を入力してSubmitしてください。筆者はすでにキーを持っていますので、下記にキーが表示されています(図13)。Key typeはBasicとなっています。
BasicでPublic websiteの場合は、「アプリケーションが制限なしに利用され、500,000 のトランザクションの任意の種類の 12 ヶ月の期間内を超えない、公開ウェブサイトです。」となっているようです。

図13:筆者のApplication Keyが表示されている(クリックで拡大)
  • 土地の公示価格を調べるプログラム

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています