[入門編] Ubuntu Serverの基礎(後編)
Canonical社の動作認定
Canonical社のWebサイトには、Ubuntu Serverの認定ハードウェア一覧があります。実際にサイトを見ると、ベンダー毎や機種毎に検索することが可能となっています。試しに、スケーラブルNASやHadoop用途として開発された、比較的新しいHP ProLiant SL4540 Gen8を見てみます。すると、Ubuntu 12.04 LTSで認定されていることが分かります。このように、検索対象の機種がUbuntu Serverのどのバージョンで認定されているかだけでなく、サーバーに搭載されている各種ハードウェアコンポーネントが他社サーバーや他機種でも認定されているかを簡単に知ることができるのが、Canonical社のサイトを利用するメリットの一つだといえます。
例えば、HP ProLiant SL4540 Gen8を検索し、「View all components」をクリックすれば、SL4540 Gen8に搭載されている各種ハードウェアコンポーネントの一覧が表示されます。その中から、オンボードNICの「Intel I350 Gigabit Network」をクリックすると、そのNICを搭載した他社サーバーや他機種の一覧を得ることができます。これにより、Ubuntu Serverが動作するハードウェアコンポーネントを素早く検索することができます。OEM版のUbuntu Serverを提供しているHPのサポート・マトリクスと組み合わせて利用するとよいでしょう。
HP SL4540 Gen8に搭載されているオンボードNICの「Intel I350 Gigabit Network」がサポートされている場合は、Ubuntu Serverのインストーラで見えるはずです(図6)。もし認定がない場合は、Ubuntu ServerのインストーラでNICが認識できない可能性がありますし、認識したとしても正常動作の保証はありません。
Ubuntu Server導入前のハードウェア構成決定の際は、Canonical社のWebサイトの動作認定一覧を必ずチェックするようにしてください。
[入門編] Ubuntu Serverの基礎のまとめ
- Ubuntu Serverはi386版、x86_64版、ARM版が存在し、省電力サーバーへ対応
- OpenStackの開発プラットフォームはUbuntu
- ハードウェアベンダーによるOEM版Ubuntu Serverで保守窓口の一元化を実現
- HP MoonshotとSL2500 Gen8では、UbuntuとOSSの用途が異なる点に注意する
- LTS版のポイントリリースでバグ修正やセキュリティ更新、新しいハードに対応
- ベンダーのサポート・マトリクスとCanonical社のサイトで動作認定を確認
最後に
連載1回目と2回目ではUbuntu Server入門編として、Ubuntu Serverの基礎についてご紹介しました。次回第3回は、Ubuntu Serverと他のディストリビューションとの違いについて、より技術者向けの内容で紹介します。
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