VMware Virtual SANで実現するストレージ仮想化:Part2 データの読み書きと耐障害性
2014年4月10日(木)
読み込みの動作
図4 VSAN環境における読み取りI/Oの流れ(クリックして拡大)
- ESXiホスト1上の仮想マシンが読み込みを実行
- データのオーナーを確定
- オーナーノード上にあるフラッシュデバイスからデータを読み込む。キャッシュがない場合はハードディスクから読み込む
- オーナーはESXiホスト1へ読み込んだデータを返す
- ESXiホスト1は受け取ったデータを仮想マシンへ返す
フラッシュデバイスにキャッシュが存在しない場合、ハードディスクからデータを読み込んだあと、フラッシュデバイスにキャッシュを残しておきます。次回以降、同じデータを読み込む際にはフラッシュデバイスに保存したキャッシュから読み込むため、高速にデータを読み込むことが可能です。
レプリカ構成時の書き込みの動作
図5 VSAN環境における書き込みI/Oの流れ(クリックして拡大)
1. ESXiホスト1上の仮想マシンが書き込みを実行
2. データのオーナーを確定し書き込みを実行
3. ESXiホスト2のESXiホストのフラッシュデバイスキャッシュに書き込みを実行
4. ESXiホスト2に搭載されているフラッシュデバイスに書き込みが完了したらデータのオーナーにACKを返す
5. データのオーナーはESXiホスト1に対して書き込み完了のACKを返す
6. ESXiホスト1は仮想マシンに対して書き込み完了のACKを返す
7. フラッシュデバイスからハードディスクにデータを書き込み(デステージ)
レプリカが構成されている場合でのデータの書き込みは、ESXiホストを跨いで別のフラッシュデバイスにも同様のデータを書き込み、その後フラッシュデバイスからハードディスクへデステージされます。同一のデータを二重に持つことで、ESXiホストがダウンしても仮想マシンは保護される仕組みです。
フラッシュデバイスのキャッシュ容量がいっぱいになると、古いキャッシュは破棄され、新しいキャッシュを保存します。書き込みについてはデータがハードディスクにデステージされた後にキャッシュは破棄されます。次にVSAN環境の障害時の挙動について解説します。
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