vNext Hyper-Vの注意すべき変更点 仮想マシンの運用
3.統合サービスの提供方法の変更
これまで統合サービスは、Hyper-Vホストの%Windir%\System32\vmguest.isoを用いてインストールを行っていましたが、vNextでは、Windows Update や Windows Server Update Services (WSUS) を通じて仮想マシンへの統合サービスが提供されることになります。Hyper-Vマネージャーから利用できるVirtual Machien Connection(vmconnect.ext)の操作メニューからは、「統合サービス セットアップ ディスクの挿入」のメニューは削除されています。
vNextが正式に製品版となったタイミングで、新しいHyper-V上で仮想マシンを作成した場合は、WIN2012R2やWindows8.1などのOSの場合はWindows Updateを通じで新しい統合サービスをダウンロード、インストールすることとなります(サーバーポートされるOSのみ)。Hyper-VがサポートしているLinuxやFreeBSD 10.0については、OSのカーネル自体に統合サービスが含まれているので、これらのOSはそのまま利用することができます。
4.Second Level Address Translation(SLAT)が必須に
Hyper-V上の仮想マシンが利用しているメモリは、仮想化技術によって論理的に割り振られたものなので、実際にメモリを使う場合には、ホストサーバー上の物理メモリにアクセスしています。このとき、仮想マシンとホストサーバーの間でメモリアドレスの変換が必要となります。この変換作業をソフトウェア的に行っていたものを、ハードウェアを使用して高速に処理してしまおうという機能がSecond Level Address Translation(SLAT)と呼ばれるものです。Intel製CPUではEPT(Extended Page Table)、AMD製CPUではNPT(Nested Page Table)と呼ばれています。WIN2012R2 のHyper-Vでは、SLATは必須要件ではなく推奨要件だったのですが、vNextのHyper-Vでは必須要件となりそうです。Windows 8.1などのクライアントHyper-Vでは、すでにSLATが必須要件となっており、SLATが有効でない場合はHyper-Vの機能が有効にできないといった制限があります。vNextでは、役割と機能の追加でHyper-Vの機能追加をするときにはSLATの有無のチェックがまだないようですが、正式に必須要件となった場合には、この時点でSLATのチェックが入ることになります。また、vNextのHyper-Vの新機能でHyper-Vホストクラスターに参加しているWIN2012R2を、仮想マシンを停止することなくvNextにアップグレードできる、Hyper-Vクラスターローリングアップデートという機能があります。この機能の要件として、SLATが必須要件となっています。
【参照】Cluster Operating System Rolling Upgrade in Windows Server Technical Preview
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn850430.aspx
サーバーがSLATに対応しているかの確認は、以下の方法となります。SLATの確認はハイパーバイザーを無効にして、サーバーを再起動する必要があります。稼働中の仮想マシンはシャットダウン後、SLATの確認中は起動できませんのでご注意ください。
①bcdedit コマンドで、「Windows ブート ローダー」にある「hypervisorlaunchtype」の項目の値が”Auto”になっている場合は、以下のコマンドでブートにハイパーバイザーの起動を無効にします。
コマンドが成功したら、サーバーを再起動します。
②起動完了後ログインして、管理者権限にてコマンドプロンプトを開きます。以下のコマンドを入力してSLATの確認をします。
戻り値が以下のようになっていれば、SLAT対応のCPUということになります。
Second Level Address TranslationTRUE
③ハイパーバイザーを有効にするために、以下のコマンドを入力後、再起動します。
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